「世界の一日の断片をつなぎ合わせた人生讃歌。」LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
世界の一日の断片をつなぎ合わせた人生讃歌。
YouTubeの企画で世界中の一般の人々から募集したある一日の映像を、一日の始まりから終わりまでという流れで構成した異色のドキュメンタリー。その後、日本版とかクリスマス版とかいろいろ関連作が作られたが、名もなき人たちの日常の断片から、生命の営みや人間や人生へのかけがえのなさを浮かび上がらせるという点で、他の追随を許さない大傑作になった。もはやかなり前の作品だが、スマホや家庭用ビデオカメラで撮れる画質が向上していたことも、映画として成立させられた大きな要因だったし、逆にカメラの性能が上がりすぎた昨今では、素人映像としての生々しさを感じさせるのは難しいのではないか。あと膨大な素材をいかにまとめあげるかという編集の能力と人生観が重要な作品で、これに関わったスタッフならびにケヴィン・マクドナルド監督のセンスがとにかく素晴らしかったのだと思っている。
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