「エレン・リプリー第一の戦い」エイリアン あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
エレン・リプリー第一の戦い
1979年の作品である。デジタル修復はされているものの基本的にはフィルム撮影とアナログ編集された作品であり古めかしいが今観るとかえって新鮮に見えるところが面白い。
撮影以外にも美術が面白い。有名なギーガーの手によるのはクリーチャーのデザインだけで、他のセットや宇宙船のミニチュアは寄せ集めの美術スタッフによって創り出された。だから、ゴシック建築的な母船ノストロモ号とスター・ウォーズ的な連絡艇のデザインはチグハグだし、船内も操舵室やコールドスリープ室は「2001年」ぽい未来的イメージなのに、マザーと会話をする部屋は妙にポップなデザインだったり、タイタニックに出てきそうな貨物室があったりする。
乗員たちも、宇宙船のそれというよりも、いかにも貨物船の乗員ですという素朴なところがある。
つまりとても人間的なんですね。それだけにエイリアンとの肉弾戦はリアルであり今観ても迫力がある。
当時はCGがない時代なので、ウジャウジャとクリーチャーが登場するというつくりにはできない。エイリアンは進化するのだけどこの映画の「エッグチェンバー」も「フェイスハガー」も「チェストバスター」も「ゼノモーフ」も同一個体です。(基本、ミニチュアが一体ずつということ)最終的にはこの個体とエレン・リプリーの一対一の戦いになるのだけど。
そしてエイリアンはこのあと「2」「3」「4」まで制作されてシガニー・ウィーバーは20年続けてシリーズに出演し、映画の時制によれば300年くらいエレンとして戦い続けることとなります。いやそれって映画の設定としても出演者としてもすごいよね。
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