「もし、しなければ (志村けんさん訃報を受けて追記)」ロラックスおじさんの秘密の種 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
もし、しなければ (志村けんさん訃報を受けて追記)
児童文学作家ドクター・スースによる児童書のCGアニメ映画化。
自然の木が一本も生えなくなった世界。全てが人工で造られた町“スニードヴィル”は環境も空気も整えられているが、町の実力者オヘアが権力を握っていた。
ある日、少年テッドは憧れの女の子が自然の木を見たい事を知り、祖母から聞いた手掛かりを頼りに、町の外、荒廃した世界に住む男ワンスラーを訪ねる…。
全米では2億ドル超えのメガヒット。
…普通だった。
可もなく不可もなく。
個性的なキャラ、ユーモアとハートフルの作風、分かり易い勧善懲悪…全てが予定調和。
元々児童文学なので、子供に見せるには充分だけど…。
やがてテッドは、風変わりなワンスラーから、かつての自分の愚かな行いと、不思議な森の住人ロラックスの事を話し始める…。
昔、外の世界は自然に満ち溢れていた。
が、ワンスラーは自らの欲に溺れ、木々を全て切り倒し、残ったのは荒廃した世界と後悔だけ。
一見、カラフルで楽しい子供向けの作品の根底に、人間の傲慢と愚かさ、自然の尊さというシリアスなテーマが溶け込まれている。
ロラックスはその自然の代弁者。
ワンスラーからたった一つの自然の木の種を託されたテッドは、町の中央に植えようとするが、オヘアがその邪魔をする…という、後はお決まりの展開。
吹替で鑑賞。
話題になった志村けんのロラックスは、思ってたより悪くなかった。
ワンスラー役のトータス松本もまずまず。
テッドの憧れの女の子は、“じぇじぇじぇ!”な下手さ。
テッドの母親も、“肉食系映画コメンテーター”の地声丸出し。
3月30日追記。
すでに大々的に報じられている通り、志村けんさんがコロナによる肺炎で死去。
何か追悼コメントを出したかったのだが、映画出演は極めて少なく、一応海外アニメの吹替でも“主演”なので、こちらに。
本当に信じられない…。人はいつか死ぬが、まさかこんな形で、僅か6日で…。
これだけ世界中の人々を苦しませて、悲しませて、コロナって一体何なんだ!?
「大丈夫だぁ」「アイ~ン」「だっふんだ」…。
自分はリアル世代でドリフは見ていなかったが、TVで放送されたら見ていたし、他にもバカ殿に変なおじさん…。
日本のお笑い界に遺した功績は計り知れない。
親しい友人や面倒見て貰った後輩曰く、優しい人。それはTVを見ている我々にも伝わってくる。
山田洋次監督とのコラボが楽しみであった初主演映画『キネマの神様』、とてもとても観たかった…。
ご冥福をお祈り申し上げます。
そうですよね。
志村けんさんの、インタビュー映像から伺える穏やかでシャイで誠実な人柄に、山田洋次監督手掛ける「キネマの神様」を「観てみたかった」、私もそう思いました。
こころさん
コメントありがとうございます♪
一夜明けましたが、未だ訃報が信じれません…。
『キネマの神様』、本当に本当に観たかったです。
山田洋次監督と志村けんさんの初タッグ…考えるだけでも魅力的でした…(>_<)