「【”貴方は成功する予感がするの・・、”と彼女は言った。デトロイトを舞台にしたその後のラップ映画に多大なる影響を与えた作品。】」8 Mile NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”貴方は成功する予感がするの・・、”と彼女は言った。デトロイトを舞台にしたその後のラップ映画に多大なる影響を与えた作品。】
■ラビット(エミネム)の母(キム・ベイシンガー)は、娘と住むトレーラーハウスに若い男(マイケル・シャノン:うわわあ、若いなあ、気づかなかったなあ)を招き入れ、昼間から情を交わしている・・。
ラビットは自動車のプレス工場でさえない日々を送るが、通勤のバスの中では、メモ帳にリリックを書き留めている・・。
◆久方ぶりに見た感想
・序盤のラップバトルで、雰囲気に呑まれたのか一言も発せず、”ルーザー””として舞台を降りるラビットの姿。
・ふとしたきっかけで、アレックス(ブリタニー・マーフィ:若すぎる死が、残念である。)と出会い、自動車工場で情を交わす。
・プアホワイトであるラビットには黒人の友人が多く、彼のラッパーとしての才能を見込んでイロイロ助力しようとするシーン。
◆今作の魅力は、何といっても、ラストのラップバトルを勝ち上がって行くシーンであろう。
そして、前チャンピオン、パパ・ドッグに対し、ライムの効いた強烈なラップをかまし、パパ・ドッグが無言で舞台を去るシーンであろう。
-序盤の、彼が無言で舞台を去るシーンとの対比。-
そして、喜びに沸く、仲間達の誘いを断り、再びデトロイトの石畳の道を、自動車工場に歩いて戻るシーンからエンドロールの終わりまで流れる『ルーズ・ユアセルフ』。
格好良かったなあ。
<近年のラップ映画で言えば、「ガリーボーイ」(インド映画である!)や「WALKING MAN」が記憶に新しいが、ラップバトルシーンは(特に「WALKING MAN」)今作が嚆矢であろう。
エミネムが登場した2000年頃は、勢いが凄かったなあ。
ロッキングオンでも、毎号記事になっていたし・・。
彼がクレバーなのは、麻薬中毒から抜け出し、母親との確執を乗り越え、ホワイトラッパーとして、今でも現役で活躍している事で分かる。>