「You can do anything you set your mind, man. 名曲誕生前夜。」8 Mile アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
You can do anything you set your mind, man. 名曲誕生前夜。
2020年のアカデミー賞授賞式に突然現れてパフォーマンスをしてオーディエンスを驚かせたエミネム。でも、個人的には太ってたのと、いまいちラップのキレがないのにビックリしました。なんだかんだで「マーシャル・マザーズLP2」ぐらいまでは聴いてたのですが、最近のアルバムはあまりピンと来ないんですよね。アカデミー賞に出るのも日よった感じがして逆に悲しかった・・。本作はそんなエミネムが輝いていた頃の作品です。
ぶっちゃげエミネムが自分の半生を自分が主演で作っているので、いうなればファン・ムービーみたいなもんです。妹を可愛がるシーンとか、皆でマリファナ吸ってる時にエムだけ吸ってなかったりとか正直あざとすぎる!ファンじゃない人が観て微妙な感想になるのも仕方ないです。例えるならばビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」のようなもんでしょう。しかし!主題歌の「Lose yourself」はメチャメチャカッコいい!ヒット曲の多いエミネムの中でも屈指の名曲です。
映画自体も如何にエミネムを知ってるかで評価が変わってくると思います。母親との確執だったり、娘(映画では妹)への愛情とか。ラップ・バトルの最終戦で自分の事をネタにするラップをしていたのは、その後の自分の心情をさらけ出すようなラップ・スタイルに繋がってますね。
ヒロインのブリタニー・マーフィーがエロ可愛いですね。ホントこういう役上手かったのに亡くなってしまったのが残念です。RIP、ブリタニー。実はライバルがアンソニー・マッキー。マーベルのファルコン役で有名になる前ですね。ラップもできたんや!
ラップのシーン以外は特に大きな盛り上がりもなかったりするのですが、こういう仲間内で喧嘩したり、ダベったりしてるのって良いなぁと思います。夢を語ったり現実に悩んだりって若い頃の特権ですよね。そういえチェダーが銃で自分を撃っちゃったシーンを見て、アメリカ人って誰でも銃使える訳じゃないんだってのに改めて気が付きました。
しっかし、映画の主題歌の為に「Lose yourself」作れちゃうのが、この頃のエミネムの凄さを物語ってますよね。出すアルバム出すアルバム名曲揃いでしたし。決して万人ウケする映画ではないかも知れませんが、エミネム好きの方にはマスターピースである事は間違いない作品です。