陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャルのレビュー・感想・評価
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クイーンズに生まれなくて良かった
アル・パチーノが出ているので観てみたが、名優の無駄遣いの陰鬱映画。
モンティエル監督もクィーンズ育ちなのでこの手の事件話には事欠かなかったのだろう。
過去の殺人を暴かれる恐怖感というプロットでは「砂の器」に似たティストだがもっと低俗、殺される方も悪いし半ば正当防衛に描かれるのでおかしなことに主人公に肩入れしたくなる。
不思議なのは本人よりもかばった刑事の方がパニックっているというおかしな設定。事件そのものがクィーンズ地区という犯罪など日常茶飯事のごみ溜めなので珍しくも無いのだろうが何故か地元新聞が16年も前の事件を匿名の投書だけで警察の不正と煽りまくる。投書の主も親友の妹と明かされるが動機が読めない、刑事たちも過剰反応だろう、結局どろどろしたまま終わるので何が言いたい映画なのか戸惑いばかりが残る。
原題はThe Son of No One(誰の息子)、刑事(アル・パチーノ)は殉死した父の同僚なので主人公をかばったらしいがもっと裏のありそうな題名、それにしても邦題は大仰なタイトル、いつものことで宣伝部がLAコンフィデンシャルが当たったので便乗したのでしょう、詐欺に等しい。
余りにも暗い陰鬱な話に付き合わされる方はたまったものではありません、収穫と言えばクイーンズに生まれなくて良かったと思えるくらいでしょう。
どういう関係だ? モヤモヤ
重いテーマ。スラムのような街で不幸な殺人を犯してしまった。少年時代の過ちを今でも悩む主人公。その街で警官をするめぐりあわせで、蘇る記憶と少年時代の親友。これだけでも息が詰まる。主人公が愛する家族とただ平穏に過ごしたいと願う気持ちが痛い。
ただ、そこに絡むアル・パチーノの元警官とレイ・リオッタの警部の動機がイマイチ緩く、終盤の4人の警察関係者がどうもすっきりしなくて、だから親友の死が余計につらい。
さらに、どうして彼女は主人公を売ったのかなあ? この感情もすっきりしない。
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