HOME 愛しの座敷わらしのレビュー・感想・評価
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田舎暮らしへの耐性試験みたいな作品。
観光映画というジャンルがあるのかどうか分かりませんが、盛岡・遠野・滝沢村などの美しい風景を、これでもかと取り入れた「観光映画」でした。
ストーリー上は、とりたてて大きな事件が起きるわけではありません。
オカルトチックに始まりながら、最後には客席全体が心暖かい気持ちに包まれるお話で、主人公のように「まっすぐ頑張ってきたけど報われない人たち」にはジンと来る話だったと思います。
ところで、この映画の観客席について、一言述べておきたいと思います。
客席からは、映画が始まっても私語や飲食の音などが止まることがありませんでした。
ちょうど、お菓子やミカンを食べ、雑談をしながら農村歌舞伎を楽しむ観客席のようなノリでした。
ふだんあまり映画を観ない人たち、つまり映画観賞のマナーを身につけぬままに初老期に達した人たちが多いのだろうか、と思いました。
ストーリー自体が、農村歌舞伎ばりのおおらかなお話だったからかも知れません。
他の映画だったら、こんな客が一人でもいると気が散ってしまいますが、この映画に関しては、ま、いいかと許せたのが、この映画の持つ「人徳」というものかも知れません。
主人公たちが過ごした季節は、東北地方の初夏から秋にかけてです。
東北がいちばん輝いている季節。
美しい季節だけをつまみ食いし、長く暗い冬を過ごさずに東京に帰った主人公たちがハッピーエンドで終わることに、いま一つ物足りなさを感じた東北出身者も、いるかも知れぬと思いました。
家族再生を”座敷わらし”が取り持つハートウォーミングなホームドラマ
ちょっと疲れているかなあと思っている時に、柔らかな気持ちで観れる家族の在り方を優しい視点で描いた邦画の佳品である。
水谷豊演じる高橋晃一(大手食品メーカー課長代理)が岩手県盛岡に異動が決まり、高橋家が東京のマンションから岩手の古民家に急遽引っ越しをすることに。
独断で古民家を借りてしまった高橋と姑(草笛光子さん)との関係にストレスを感じている彼の妻と反抗期の娘(安田成美さん、橋本愛さん)との微妙な齟齬を、古民家に住み着く”座敷わらし”が徐々に解きほぐしていく”ほんわか”する物語。
岩手県の見所が随所で控えめに、けれど美しい風景とともに紹介される。
こういう、映画を観ると大都会に住む人々の一部の方は田舎居住を夢見るのかなあ、と地方都市在住者は思った映画でもあります(深い意味はありません)
最近、こういうテイストの邦画が上映されないなあとも思う素敵な作品である。
<2012年5月1日 劇場にて鑑賞>
座敷わらしが繋ぐ家族の絆
「日曜洋画劇場」での地上波初放送を鑑賞。
原作は未読です。
「相棒」の杉下右京役の印象が強かった水谷豊が、ちょっぴりうだつの上がらないサラリーマンを演じていて、やっぱりさすが俳優さんだなと思いました(笑)
家族の面々もいい感じ。
「ログハウスって言ってなかったぁ?」と引っ越し初っ端でこぼす奥さんの安田成美、転校先の人間関係に悩む思春期な娘の橋本愛、持病の喘息によってサッカーがやりたいのにできない息子の濱田龍臣、この中では一番堂々としているものの認知症が進行しつつある水谷豊の母・草笛光子…。
家族に幸せになってもらいたいという想いはあるもののなかなか上手く行かず、逆にバラバラになりそうになり、一家の家長としての悩みは増すばかり…。自身も慣れない営業職で失敗ばかり。空回り続きで、いったいどうしたらいいんだろう…?
そんな崩壊危機な家族を救う座敷わらし!
古民家で起こる些細な怪奇現象…この家には座敷わらしがいる…! 最初は不気味に思うものの、だんだんとかわい気が出て来たりして…一家共通の出来事を通して、徐々にまとまっていく面々。上手くいかなかったことも、いつかは笑い話になる…。
ほっこり・ほんわかとした心暖まるホームドラマ…普遍的なことが一番面白いということの典型のような映画だなと感じました。
スタッフ・キャストの殆どが「相棒」でお馴染みの面子で固められていて、水谷豊とテレビ朝日の蜜月すげぇ…と思いながら、同時にクォリティーへのとてつもない安心感がそこにあって、素晴らしい限りでした(笑)
ベタだけど程好く感動
かなり予定調和な世界ではありましたが、予想以上に心癒されました!
ベタはベタなホームドラマなんですが、程々の感動に留めている辺りが、とても心地良かったんですよね。
舞台となった岩手県の農村地区の風景美にも、ホント癒されたぁ。
まあ実際住んでみれば、冬の岩手はそんなに甘いものではないと思いますが、映画の画的な部分での癒し効果としては抜群でしたね。
冬の厳しさを描かない話の構成にする辺りはまさしくザ・予定調和って感じでしたけど、でも優しくて温かい作風には、ほっこりとさせられましたよ。
座敷わらしに関しては正直何の知識も無かったので、ちょっと怖そうな妖怪みたいなものなのかな?と思いながら見ていたのですが、実際にも妖怪と言うよりは岩手で言い伝えられている精霊みたいなものだったそうで。
そんな福を呼び込む福の神的な座敷わらしの六ちゃんが、とても可愛らしかったなぁ。
安田成美が演じたお母さんとの「あのシーン」は、本当にいいシーンでした!
心の澄み具合によって見える人と見えない人がいる設定も、ちょっと面白かったですね。
ラストも個人的には好きな終わり方でした。
それから座敷わらしは登場したものの、基本的にはヒューマンドラマとして描いていた辺りなんかは、とても好感が持てましたね。
単純に田舎に引っ越したから家族が再生した訳でもない、座敷わらしが福をもたらしただけで再生した訳でもない、ちゃんと家族が向き合ったから再生していった、その過程に何気にグッと来ました。
勿論、水谷豊がおいしいところを持っていく脚本にしなければこの映画は作られなかったんだろうなと言う思惑も匂ってはいましたが、それでも感動しちゃいましたよ。
水谷豊のお父さんだけじゃなく、安田成美のお母さん、橋本愛と濱田龍臣の子供2人、そして草笛光子のお婆ちゃん、皆それぞれに切ないストーリー展開があって、家族全員に感情移入できるよう持っていったストーリー構成は、何気に見事だったんじゃないかなと。
濱田龍臣の友人かっちゃんが女だと分かった時のドキドキ感も、妙に印象深かったです。
まあ全体的にあまりにもいい話過ぎではありましたけどね・・・でも結構好きです、こんな話。
40点
映画評価:40点
細かいことを言えば
「水谷豊がいつも同じ様な役の演技」で飽きてきちゃうし、「座敷わらし」が居る理由とか意味とか分からないし、「のほほん」とした雰囲気でクライマックスもないから凄く退屈
だけど、この作品は細かいことを気にして観るものではないですね。
田舎(自然体)暮らしの素晴らしさ、家族の絆
そういった日本の美しさを改めて見つめ直す作品なんでしょう。
都会で傷ついて暮らしてきた意志疎通の出来ていない家族が、自然の温かさに育まれていっている
むしろ細かいことを気にしていたら負けです。
※でも採点には細かいことも反映させます(笑)
という訳で、観るかたは是非ほんわか観てください。
【2015.9.20鑑賞】
つまんなくはない....かな
田舎に左遷された父親と家族が、新しくすむ古民家で座敷童を通じて家族の絆を取り戻して行く話。
あんまり心に残る作品ではなかったけど、ほっこりする作品。家族のそぞれが悩んだり辛かったりしているけど、生活の基本である家族で互いに助け合う事で上手く物事が回って行くようになるのかなと思った。そのきっかけとして座敷童が使われていたと思うけどそこまで存在感は無かったかな。
いつまでも覚えていそうなシーンが一杯!
カナダ在住なので今頃、見ました。
こちらのテレビでやっていたのですが、見た後もいろんなシーンが頭に浮かんできました。
特に安田成美さんのいろいろな表情や、立ち居振る舞いが心に残りました。
今でも彼女が座敷わらしをおんぶしている姿がなんどもよみがえります。
たくさんの人にみてもらいたい作品です。
おやおや、座敷わらしが居るのなら、是非見てみたいものですねぇ〜
右京さんが左遷されて古い家の座敷わらしの秘密を探る…って話じゃなくて(笑)、
父親の転勤で田舎の古い家に越してきた高橋一家。
家族は不満たらたらだが、不思議な座敷わらしの存在によって、バラバラだった家族の絆を取り戻していく…。
家族の再生はよくある話だが、そこに座敷わらしというファンタジーをプラス、美しい風景と共に、普遍的な家族の姿を浮かび上がらせる。
“温かい家族の象徴”とも言える囲炉裏を囲んで家族が集うシーンは印象的。この映画の要所要所も必ず囲炉裏を囲んでいる。
ちょっと理想的過ぎたり、あまりにも父親に振り回され過ぎている気もしない訳ではないが、ストレートな物語とメッセージは優しく心に染み入る。
高橋一家があの家に居たのはわずかな間。
でも座敷わらしが教えてくれた家族の絆を大事にしたい。
天才変人警部じゃない水谷豊も新鮮。
キャストが皆、自然体で好演。
橋本愛ってホント美少女だなぁ…。
カッちゃんって女の子だったんだ…びっくり!
、『相棒』組を総動員して企画の実現にも奔走した水谷豊のヒューマンな人柄が溢れている作品でした。
座敷わらしが登場するからといっても本作はホラーでなく、心暖まるホームドラマでした。東日本震災が起こり、人々の心の絆が叫ばれているとき、「今だからこそホームド。ラマが必要だ」と本作の脚本を読んで主演を快諾したほか、『相棒』組を総動員して企画の実現にも奔走した水谷豊のヒューマンな人柄が溢れている作品でした。
少々ベタなストーリーに、水谷の大げさな演技で予告編だけ見ると退いてしまうかもしれません。でも本編を見ていくうちに、ほのぼのした本作の展開にはそのくらいの大芝居がマッチしていると感じました。何よりもシリアスな方向に持っていくとどうしても杉下右京のキャラと被ってしまいます。その点で、神経質な右京のキャラとは真逆な楽天家で小心な男を演じきったということは、役者として一つのカラを見事に打ち破ることができたと多いに評価したいと思います。
また和泉聖治監督を始め、『相棒』組のサポートで、テイストは異なるものの、音楽と独自の映像美やカット割りで雰囲気は『相棒』を感じさせてくれました。盛岡のイーハトーブの舞台となってた大変ロマンを感じさせる景色を借景に、都会暮らしの中でバラバラになっていた家族の心が一つに繋がっていく姿が感動的に綴られていったのでした。「遠野ふるさと村」に保存されている築200年の古民家はもとより、撮影場所となった岩手県各地の風景にも見ていて心が洗われるようです。
東京から岩手支社に転勤となった高橋晃一(水谷さん)が妻と中学生の娘と小学生の息子、さらに母親を引き連れて引っ越してきたのは、築200年の古民家。盛り下がり気味の家族の空気を、能天気な晃一はなんとか上向きにしようしらじらとした場面が、滑稽でKYな父親像をよく引き出していました。
突然の田舎暮らしで、家族は戸惑いを隠せません。子供たちは、新しい学校に上手く馴染めず、妻の史子は田舎ならではの濃密なご近所づきあいに面喰らってしまいます。史子が広報の配布で近所の担当集落を自転車で廻るとき、泥沼の田んぼに落ちてしまうのです。演技とはいえ、よくやるものだと感心しました。
また通勤で毎朝毎晩一生懸命自転車を漕いでいる姿も印象的。KYながらも何としても家族を守っていくのだという晃一の決意が滲んでいました。
晃一の独断で決めてしまった田舎暮らしに業を煮やした家族は、別居も辞さない構えで、晃一に詰め寄ります。そんな険悪な空気を変えたのが、“座敷わらし”の存在でした
家の中にただならぬ気配を感じさせる“座敷わらし”の悪戯によって、違和感を感じた家族は話し合う機会が倍増。次第にこころを寄せていくことになります。
どうも小地蔵は“座敷わらし”にとても親近感を感じておりました。そしたら“座敷わらし”は、口減らしのため間引かれた赤ん坊の霊が童子の姿をとったものだというでわありませんか。なんだ毎日相手している水子たちの仲間だったんですね。
“座敷わらし”は岩手には今も"出る"旅館があるそうです。そうした悲しい歴史を知り、自分に命があることの尊さに気づいたら、少々つらいことがあっても生きていく勇気が出てくることでしょう。本編に登場する“座敷わらし”も悲惨な過去を微塵を感じさせず、高橋一家に微笑みかけ、一家に幸運をもたらす働きをします。まるでお地蔵さんのそっくりな性格でした。
この家に引っ越すきっかけは、晃一の左遷によるものでした。家族の中で“座敷わらし”を見ることができないほどの無神論者だった晃一でした。しかも職場では上司に対してイエスマンを通してきたのに、ある製品開発を巡って、効率追求ばかりでなく、ある「見えないもの」の大切さを語るシーンは、胸に込み上げるものを感じました。
そんな一家の大黒柱の左遷、本社の上司とのもめごと、妻の不安や更年期障害、娘はいじめに遭い、息子は病気、そして母の認知症の疑いと、どれも深刻な問題だが、それらを座敷わらしという“妖怪”にからめ、ユーモラスにカラリとした雰囲気で描いていくところがいいんですね。
そんな展開に織り込められたヒューマンな台詞。晃一は妻・史子にときどき「ありがとう」と感謝します。その言葉に妻に対する夫のいたわりが感じられ、見ていて心地よかったです。その史子を演じる安田成美のほんわかとしたコメディエンヌぶりが、本作のシリアスな設定をオブラートに包んでくれました。
さて再度引っ越しになった高橋家。“座敷わらし”ともせっかく親しくなれたのに…。でも、新しい任地に向かう途中で立ち寄ったレストランで、ちょっとしたしたことが起こります。最後のちょっとクスッとなれるオチの仕掛け方にもご注目を。
清々しい気分で帰れた!
良かったですよ。清々しい気持ちで映画館を後にしました。
水谷豊がちょっと駄目なお父さんをよく演じてました。
気持ちが共感できて泣けました。
安田成美の出来の良いお母さん役も素敵でしたし、
子役たちも凄く良い演技でしたよ。
おばあちゃんの辛い記憶の部分は泣くしかない。
まとまっていく家族の姿が良かった。キッカケは座敷ワラシかも
しれないけど、なんだか良かったです。
橋本愛、沢木ルカは結構気になっちゃった。
最後のオチは読めましたが、それでも凄くいい気持ちになれました。
家族って良いよね(^^)v
古き良き『むかしの日本の風景』と、福の神。
これ、いいじゃないですか~!
見て良かったです!
私は北海道の山の中の田舎育ちなので、この作品の舞台である岩手県の田舎の田園風景と、故郷の風景とをかぶらせて見ることができました。
自然に囲まれて暮らすっていいですよね。
さすがに私の田舎は、ああいう藁葺き屋根の民家や田んぼはありませんが、一度住んでみたいです、あんな家に。
でも、さすがにトイレは洋式水洗にして、お風呂はガス式でないと嫌ですけど(笑)。
あれだけ田んぼが多いと、雨の日はカエルだらけになりそうで怖いな~。
あの田舎なら、夜の場面ではカエルの鳴き声が聞こえてもよさそうでしたが、フクロウの鳴き声だけでした。
さて、その古民家に引っ越してきた高橋家の家長、お父さん(水谷豊)。
彼が、転勤に伴いほぼ独断でこの古民家への引越しを決め、都会暮らししかした事がない家族(お母さん&思春期の娘)はかなり困惑。
しかし、お父さんがこの家に引越しを決めたのには、単に“田舎生活への憧れ”だけではなく、“ある切実な理由”がありました。
その理由は後半で明かされますが、すごくジ~ンとくるんです…。
杉下右京のような切れ者じゃない、今作の水谷豊の演技、すごく良かったです。
先日(公開前)、北海道の夕方のローカル番組にゲストで出演され、この映画をPRなさっていました。
会社ではいまいち昇進株にもなれず、上司のご機嫌に左右され逆らえず、上下関係に従属した、どこにでもいそうな気の弱いサラリーマンという役柄です。
でも、そんな風に長年会社に尽くしてきたお父さんが、物語の後半では、上司に逆らってまで、自分の信念を貫こうとします。
お母さん役の安田成美、おばあちゃん役の草笛光子、多感な娘役の橋本愛、座敷わらしと心通わす息子役の濱田龍臣。その他脇役(失礼)の方々。キャスティングも素晴らしかったです。
橋本愛は「告白」、そしてついこないだ見た「大木家のたのしい旅行」で、あの青い顔の女の子だった子。大きくなったな~、なんて思ったり。
題名に書かれているので隠しませんが、舞台となる古民家には座敷わらし(通説では「福の神」の一種)が住み着いています。
オープニングで題名が表示された時に、誰もいない2階の窓が「タンッ」とひとりでに閉まるところでもう「おおっ」でした、私(笑)。
最初に座敷わらしを目撃する、息子の智也君。
お風呂の窓からあんなのがこちらを覗いていたら怖すぎます!
実際、あのシーンでビビリました。
そして、娘やお母さんも「鏡越しに『変なもの』を見た」と言い出して…。
この映画には“古き良き日本の暮らし”が詰まっています。
そして、昔ながらの“田舎のおばあちゃん”もいらっしゃる。
田舎のおばあちゃんって、高齢でも畑仕事をやっているから足腰が丈夫で、何より元気なんですよね。
ただ、高橋家のおばあちゃんは痴呆症で、あの縁日のシーンでは…。
家族が痴呆症になるって、悲しいです。
私の身近なところでもそういう事があり、それを思い出してしまって、お父さんが泣く姿がとても悲しかった。
最後の、物語の締めくくり方も良かったです。
「ああ、いい映画を見たなあ」と思えました。
家族みんなで見ても、親子で見ても、夫婦で見ても、多分カップルで見ても、心温まる作品です。
DVD化したら是非買いたいと思いました!
心がほっこりと暖かくなる
遠野地方に伝わる「座敷わらし」の悲しいお話や、第2次世界大戦にまつわるお話しもからめながら、人間にとって何が一番大切かを考えさせてくれて、心がほっこりと暖かくなる、素敵なシャシンです♪
そして、遠野地域、岩手山、滝沢村・雫石町地域、盛岡地域、花巻地域・・・それぞれの風景が素晴らしく、こうした作品にピッタリのロケ現場を提供するフィルムコミッションの必要性を教えてくれる写真でもあります。さて、大町で僕はどう協力するか・・・。
それはさておき、高島礼子、石橋蓮司、三浦浩一、小林綾子、宇津井健あたりが、文字通り「チョイ役」で出てくるなんて、なんて贅沢な(^^;
家族共通の宝物“座敷わらし”
むかし、岩手県の金田一温泉郷で座敷わらしが出るという旅館に泊まったことがある。残念ながら精霊を見ることはできなかったが、この映画に出てくる古民家のように風情のある建物だった。
晃一(水谷豊)が独断で決めた田舎の古民家に越してきた5人家族。
たった5人だが、キャラクター的にはバリエーションがある。
田舎に来てのびのびとした日々を楽しむ小学生の智也。逆に田舎に馴染めない中学生の梓美。不便な上に近所付き合いが鬱陶しく盛岡市内のマンションへ移りたい妻の史子。古民家の生活に懐かしさを感じる晃一の母・澄代だ。
家族それぞれに新生活への思いや鬱憤がある。晃一自身もまた盛岡転勤の裏に家族に言えない問題を抱えている。
なかなか歩み寄れない家族が、あることを機にひとつにまとまっていく。
それが座敷わらしの存在だ。
ほんとうに居るかもしれないし、居ないかもしれない。
自分らの中にあるものに悩むよりも、皆に共通した出来事のほうが家族がひとつにまとまりやすい。心の内因はくすぶるだけだが、外因は特定しやすく家族の誰にも非がないから皆で協力しやすいのだ。
そう考えると、座敷わらしという伝承は、雪で閉ざされた山村で暮らす昔の人々が、家族の和を願って考えついた知恵の産物なのかもしれない。いわば家族共通の宝物を創り上げたわけだ。
夏休みにキャンプに出掛けたものの、父親がテントもろくに張れず、ご飯も炊けず、家族みんな不満タラタラだったけれど、終わってみれば、それはそれで楽しい思い出にもなる。この映画はそんな感じの物語だ。そんなライトタッチの作風に水谷豊と安田成美はぴったりだ。座敷わらしも可愛らしい。
王道の映画ですね
GW中の公開に見合った全世代向け優等生映画。
(ツボにガッチリはまるのは40代以上だと思われます。)
おどろおどろした妖怪映画では全くないので
ご心配なく。
同時期公開のわが母の記も母親主軸の家族愛をテーマにした映画ですが、
観客対象を全方位に向けており現代が舞台のこっちの映画の方が
万人受けします。
ちょっと笑えて、ちょっとグッときて、
終りではホッコリ出来る、
無難に勧められる映画です。
あまりにも無難すぎて
想定を外した展開がないのと、
水谷豊臭がちょっぴり出過ぎている
(好きな人にはタマラナイんでしょうが)点、
ボーイッシュな沢木ルカちゃんの表情の演技は
もうちょっと頑張って欲しかったな、
で4.0です。
いい映画ですよ。こんな座敷わらしなら
家にも来て欲しいw
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