「ベタだけど程好く感動」HOME 愛しの座敷わらし スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ベタだけど程好く感動
かなり予定調和な世界ではありましたが、予想以上に心癒されました!
ベタはベタなホームドラマなんですが、程々の感動に留めている辺りが、とても心地良かったんですよね。
舞台となった岩手県の農村地区の風景美にも、ホント癒されたぁ。
まあ実際住んでみれば、冬の岩手はそんなに甘いものではないと思いますが、映画の画的な部分での癒し効果としては抜群でしたね。
冬の厳しさを描かない話の構成にする辺りはまさしくザ・予定調和って感じでしたけど、でも優しくて温かい作風には、ほっこりとさせられましたよ。
座敷わらしに関しては正直何の知識も無かったので、ちょっと怖そうな妖怪みたいなものなのかな?と思いながら見ていたのですが、実際にも妖怪と言うよりは岩手で言い伝えられている精霊みたいなものだったそうで。
そんな福を呼び込む福の神的な座敷わらしの六ちゃんが、とても可愛らしかったなぁ。
安田成美が演じたお母さんとの「あのシーン」は、本当にいいシーンでした!
心の澄み具合によって見える人と見えない人がいる設定も、ちょっと面白かったですね。
ラストも個人的には好きな終わり方でした。
それから座敷わらしは登場したものの、基本的にはヒューマンドラマとして描いていた辺りなんかは、とても好感が持てましたね。
単純に田舎に引っ越したから家族が再生した訳でもない、座敷わらしが福をもたらしただけで再生した訳でもない、ちゃんと家族が向き合ったから再生していった、その過程に何気にグッと来ました。
勿論、水谷豊がおいしいところを持っていく脚本にしなければこの映画は作られなかったんだろうなと言う思惑も匂ってはいましたが、それでも感動しちゃいましたよ。
水谷豊のお父さんだけじゃなく、安田成美のお母さん、橋本愛と濱田龍臣の子供2人、そして草笛光子のお婆ちゃん、皆それぞれに切ないストーリー展開があって、家族全員に感情移入できるよう持っていったストーリー構成は、何気に見事だったんじゃないかなと。
濱田龍臣の友人かっちゃんが女だと分かった時のドキドキ感も、妙に印象深かったです。
まあ全体的にあまりにもいい話過ぎではありましたけどね・・・でも結構好きです、こんな話。