ヤバい経済学のレビュー・感想・評価
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雑学入門篇
経済学とあるが雑学レベル、社会事象と要因推定、統計の危うさなど、ちょっと勉強した人なら聞くまでもないことばかり、相撲ネタは外人には受けるかもしれませんが閉鎖性の弊害やドーピング問題など相撲に限った話ではありませんね。主な事例は
・不動産屋の損得勘定:手数料に大差がなければ早く売りさばこうとする
・名前で損得はあるか:無いとも言えないが統計学的には立証できない
・統計の嘘:夏に多い病気の原因がアイスクリームとは言い切れない
・建前と本音:相撲は宗教儀式で偽装された村社会、八百長問題
・仮説と立証:犯罪率の減少と中絶合法化時期の相関々係
・インセンティブ(ご褒美)実験:万能ではない、やる気の他にも潜在能力が必要
本が思いのほか売れたので取材映像を加えて映画化したのだろうがテレビで充分でしょう。
もう一度観たい!!
相撲界は2018年も問題を起こしている(モンゴル互助会の八百長や、舞鶴市長が倒れ女性医療関係者が土俵に上がった)ので、タイムリーな内容でした。日本では様々な問題が曖昧にさせられたまま人々は一生を終えますが、相撲界は存在自体が不正と隣り合わせだという事が、海外の研究者やCIAには明らかだという事がヤバかったです。他のトピックも子供の名付けと名前イメージ、中絶許可が犯罪率減少の原因、インセンティブで学業成績アップと普段ニュース板で見かけるような記事より遥かに好奇心を煽る内容で、とても面白かったです。レヴィットの研究姿勢を自分のものにする為にも、もう一度観たいです。
(以下、自分用メモ)
子供の名前はそこにある文化的背景を反映している
価値あるものには不正が働く
純粋さへの錯覚は堕落を後押しする
原因と結果
インセンティブ
正直でいる
誰にも肩入れしない
ハリウッド版がっちりマンデー
経済ものやとマイケル・ムーア監督の『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』が有名やけど、独りよがりなムーア節が耳障りだったのに対し、今作はデータを重視した丁寧な話運びで論述に嫌悪感はさほど無く、聞き入れやすかった。
成績が上がると学生に賞金をくれる高校を取り上げたりして、いかに競争馬の目の前に上手くニンジンを吊り下げ、走らせていくかを追っていく。
云わばハリウッド版『がっちりマンデー』ってぇ趣であろう。
日本ならば森永卓郎や勝間和代がココぞとばかり熱弁を奮うところだ。
御褒美に一喜一憂する人間社会ゆえに当然、不正がはびこってくるのも宿命で、そんな闇の部分の方程式を大相撲の八百長問題で紐解く展開は、興味深かった。
そこにルーマニアの失政etc.も例えにし、政治ネタも盛り込んでくるので、『TVタックル』に近い要素も色濃い。
人の懐事情を様々な角度から覗き込む分析力は流石やけど、競争に負けた者にもう少しスポットを当てて欲しかった。
自分自身もそうだけに、負け犬には負け犬なりの言い分が有るわけやから、そういう闇をエグッてもらいたかったかな。
明日も仕事かぁ…。
ヤリ甲斐なかなか見いだせへんなぁ…。
仕事においても、人生においても…。
《結論》
時の流れは早いが、給料日は遠い…。
石川啄木の如く、ただじっと掌を眺めながら、最後に短歌を一首。
『報酬を 築いて気付く 人の道 本音と建前 ホシを並べて』
by全竜
いろんな意味でユニークな経済ドキュメンタリー映画
経済ドキュメンタリー映画というと、
シリアスで堅苦しいイメージがありますが、
こちらはポップな映像、軽快な音楽と、
エンタメ要素も満載。楽しく学べる映画です。
興味をそそられる、身近な題材が用意され、
その調査結果にはどれも驚かされました。
中でも日本の大相撲八百長問題を取り上げた【純粋さの崩壊】や、
アメリカの犯罪発生率が、なぜ激減したのか?その本当の理由
【『素晴らしき哉、人生』とは限らない】などは、
結構インパクトありましたね…
名前が人生に与える影響を考えた
【ロシャンダが別名なら】などは気楽に楽しめましたけど。
時間もあっという間に過ぎ、エンディングを迎える頃には、
エ~ッもっといろんな話教えてョ!!そんな気持ちになってます。
以前、書籍が話題になったとき、借りて読もうとしたんですけど、
時間がなくて、少ししか読めませんでした。
ずっと気になっていたんですけど、今回の映画化は嬉しい限り。
続編の「超ヤバい経済学」って本も出てますが、こちらも面白そうですね。
あらためて読んでみたいなと思ってます。
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