「御年配の方の写真を撮る時はフラッシュ光量に気を付けろ」インシディアス 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
御年配の方の写真を撮る時はフラッシュ光量に気を付けろ
『SAW』1作目の監督ジェームズ・ワンの最新作。
この映画、近所の映画館で上映してなかったので半ば鑑賞を諦めてたのだが、
たまたま仕事の出張先が上映館の近くだったため、
こいつはツいてる!とばかりに喜び勇んでレイトショー鑑賞。
……馬鹿だった。
寝る前に独りで観る映画じゃなかった。
ツいてたんじゃない、憑いてた。
話の入りはオーソドックス。
呪われた家に引越した家族の恐怖体験。
だがいきなり○○が犠牲になったり
“呪いの家”を引越したりと展開にヒネリが利いてる上、
展開の早さも怪奇現象も最初からハイテンポ。
警報器・レコード・偏光グラス・ガスマスク等々、小道具の使い方も巧みだ。
そして、音。
悲鳴か狂笑か、ギュゥィーンギュルギュル!と唸りを上げるストリングスの音が強烈に怖い。
目立たないが、ミシミシ鳴る天井などの密やかな音の使い方も巧いね。
て訳で、鑑賞中ずっと怯えっ放しの力入りっ放し。
レシーバー越しの奇声!
窓際の徘徊者!
笑う双子の少女!
ベビーベッドに佇む女!
呪いの家の凄惨な過去!
も、もう許してくださいッ!!(←何をだ)
まあ最大の恐怖であるはずの赤いアイツのビジュアルはちょっと滑稽で笑ってしまったが、
赤いアイツ以上にインシディアス(狡猾)な“寄生者”の怖さはダントツ。
あの写真のシーンとかもう「アワワワワ」って感じだし、
最後の方なんてマトモに画面を凝視できなかったですよ、あたしゃ。
後半で登場する“彼方”のビジュアルも素晴らしい。
時が静止したような、あるいは
ぶつ切りにされて無造作に並び替えられたような、
霧と闇と灰緑の世界。
ワン監督は前にも『デッドサイレンス』という
腹話術人形をテーマにしたホラーを撮ってるが、
この映画で“彼方”に棲む者たちが浮かべる凍り付いたような所作や笑みも
まるで肉で作った人形のよう。
心の消えた心の入れ物。
中身の見えない脱け殻。
得体の知れない何かが潜んでいるかも知れない、そんな底知れない不気味さ。
Insidious には“潜行性の”という意味もあるらしい。
『何かが潜んでいる』という恐怖が、この映画全編を覆っている。
以上!
オーソドックスなお化け屋敷ホラーだが、段違いに怖く仕上がってます。
個人的には大好きです、コレ。
ところで……スペックス&スタッカーの2人で
スピンオフ作品とか出たら観てみたいな……。
<2011/9/7鑑賞>
きびなごさん、こんばんはー😄😄
ななんとキメラについてコメント頂けるとは!
たしかにリカちゃんやハンターさんのような連続出演のない単発キャラのキメラですが、私的にあのカマキリみたいな造形と、旧初代バイオ時代のときはキメラを倒すのが一苦労だったので、印象深いです。ちなみに『スプリット』のマカヴォイさんもキメラ役を演じておられました。