リンカーン弁護士のレビュー・感想・評価
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マコノヒー復活の作
弁護士、ミック・ハラー。
決してエリートじゃない。普段はチンピラ達の事件を担当して小金を稼ぐ。
そんな弁護士の所へ、金持ちのお坊ちゃんの事件が持ち込まれ、話は予想外の方向へ展開していく…。
派手なアクションがある訳でもない。社会の巨悪を倒すっていう壮大な話でもない。
だが、何故だかとても面白い。
ちょっと古臭い雰囲気がイイ。昔のテレビシリーズ観てるみたいな感じ。
八方塞がりの主人公、どう決着をつけるんだーとハラハラさせながらラストまで引っぱる。
主人公の弁護士演じるマコノヒーがイイ。
弁護士という立場上、法廷では感情を表に出さない。が、観客は彼がハラワタ煮えくり返っている事がちゃんと分かる。押さえているけど、上手い。
その他、マリサ・トメイ、メイシー、ジョンレグ、マイケル・ペーニャなど、共演陣も渋くて豪華。運転手役のローレンス・メイソンも、なかなかいい味。
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2011年、本作に出るまで、マコノヒーは低迷していた。2年くらい映画に出てなかったと思う。似たような役ばかりくるのでオファーを断っていたらしい。本作出演後、彼は怒濤の快進撃を見せ、『ダラス〜』ではアカデミーも取った。本作は、マコノヒー復活のきっかけとなった作品の一つなのかもしれない。
(本作と全くテイストが違うが、マコノヒー2011年の出演作『キラー・スナイパー』での怪演も面白かった。)
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個人的にちょっと残念だったのは、この『リンカーン弁護士』、最初はトミー・リー・ジョーンズが監督するとアナウンスされていた。マコノヒーが出演を決めたのはそこらへんにも理由があったのではないかと思う。
トミリーの監督作(『メルキアデス〜』『The Sunset Limited』)が好きなので期待していたのだが、気付いたら別の監督さんになっていた。トミーリー版の『リンカーン弁護士』もちょっと観たかったなあと思う。
そんな個人的な願望はともかく、本作、なかなかの佳作だったと思う。
チョイ悪なマシュー・マコノヒー弁護士
マシュー・マコノヒーのチョイ悪弁護士っぷりをこれでもかと見せつけられた序盤は正直何度か睡魔に襲われてしまい、これは評判に反してハズレ映画かも?と思わされたものでしたが、物語が動き出してからは息を呑む展開に終始惹きつけられっぱなしでした。
何度かピンチに陥りつつも最後は爽快なラストを迎える展開は、まあよくよく考えればこのジャンルの定番中の定番ではありましたが、法定物・サスペンス物のツボどころは余すことなくしっかりと押さえられていましたから、鑑賞後の満足感は確実に得られる映画だったと思いましたね。
現在の事件と過去の事件がリンクして、正義とは、司法とは、弁護士とは一体何なのかを問いかけるような作風になっていたのも、物凄く好感が持てた要因の一つでした。
司法、法律、法定の裏では様々なものうごめいていて、単純に正義や悪で片付けられるものじゃないのは重々承知ですが、志だけはこうあって欲しいものだなと・・・強く思わされましたよ。
その割に堅苦しい感じではなくしっかりとチョイ悪ぶりも発揮されてましたから、そんなギャップで楽しめた映画でもありましたね。
今までマシュー・マコノヒーはそれほど好きな俳優ではなかったですが、こう言う演技もできるなら、今後は円熟味を増したマシューがどんな演技を見せてくれるのか、注目してみたいです。
それにしても、マシューの親友役を演じたウィリアム・H・メイシーは相変わらずいい味出してたな~。
あぶない弁護士。
最近の映画館、ポスターやチラシには、あっちでもこっちでも
リンカーン、リンカーン、と書かれてある。
それでこの大宣伝されていなかった作品も、私的に勘違いし^^;
リンカーンとは歴代大統領のことかと思っていたら、あらまぁ
これは高級車のことだったのね(よくチラシを見なさい、ですが)
原作はまったくの未読。
日本での公開前からすでにアチラでは続編が決定したという、
エ!そんなに面白いの!?という感覚で観に行った。
結果。すごく面白かった!久々に面白い法廷劇を観た気がする。
とはいえ、正攻法的な弁護士ではないので^^;捻りが効いている。
何しろその、リンカーンの後部座席を事務所にしている、っつー
あたりからして、コイツただものじゃないな。の匂いがプンプン。
胡散臭い事件を担当しサラリと司法取引に持ち込み、高額報酬を
手にしてきたやり手弁護士が今回挑むのは、資産家の御曹司が
引き起こした女性殴打事件。
依頼人のR・フィリップが、胡散臭さプンプンの出で立ちと演技で
冒頭から怪しさを怪演、これは一筋縄でいかない事件になりそうだ
と、私たち観客も気付き始めるのだが…。
法廷劇といえば大ドンデン返しの面白さが傑作の「情婦」がベスト。
「評決」や、今回のマコノヒーでいえば「評決のとき」もあったけど、
このヒトもともと弁護士志望だったそうで…^^;どうりで巧いわけね。
クライマックスの法廷劇(内外)はかなり観応えがあって面白い。
この主人公・ミックが拘るのは、無罪ではない。無実かどうかである。
父親の遺言が、真実が無実な者を苦しめてはいけない。なのだ。
今回の依頼が4年前の事件とリンクしミックを窮地に追い込んでいく。
と同時に、弁護士としてどうあるべきかを本人に改めて問うのだ。
ミステリーでありながら、けっこう軽快に物語は流れる。
グダグダした主人公の悪癖もしっかりと描かれ^^;、この男はまったく
結婚に向いていないことまでしっかりと分かる(M・トメイよく耐えてる)
弁護士をひとりの人間(ダメダメな部分まで)として描くことで、
内外の差というか、裏表やトラウマが露呈されるので、この男が今後
かなり苦しめられることは容易に想像でき、しかしそれをどう打開する
かが面白さのポイントになるぞ、とかなりワクワクしてくる。
どう見ても綺麗でスマートなタイプの弁護士じゃないから余計にねぇ。
だって仲介するのがJ・レグイザモ。って、すでに危なすぎるじゃん^^;
ネタバレしたらきっと面白くないので、予備知識なしで観る方が正解。
どうしようもないチンピラどもを彼がどう使うのか、乞うご期待。
(久々にずっと前のめりで鑑賞。早く続編が観たい!シリーズ化してぇ)
アメリカの弁護士かっこいい
リピートカスタマー。
裁判物と言えば、法廷での駆け引きが多くなり、動きが少なくなるので、退屈することもある。
でも、これは、程良かった。
スクリーンで見るのは久しぶりのマシュー演じるちょい悪弁護士。
暴走族相手に、お金を稼ぎ、裁判にも勝ち、悠々自適の生活。
のはずが。。。
「ちょい悪のこの俺様が、こんなワナにひっかかるとは。。。どうしてくれよう!!」
悪そうに見えて心底悪くなくて、良さそうに見えて本当はとんでもなく悪くて。
そんな配役も良い。
法律の網をかいくぐる駆け引きがおもしろい。
ウィリアム・メイシーやマリサ・トメイ達が脇を固めて、堅実な仕上がり。
久しぶりのジョシュ・ルーカスもね。
私達平凡な日本の民間人は、弁護士のお世話になることは少ないだろう。
訴訟社会のアメリカでも、≪リピートカスタマー≫とならぬようにしたいものですね。
ちょいワル弁護士のスカッとする法廷サスペンス
いわゆる法廷サスペンスものだが、カネが取れるところからはいくらでも取ろうという、ちょいワルで一流の腕利き弁護士ミックが主人公だ。
序盤は、軽快にミックの辣腕ぶりを披露する。
そして、そのミックを手玉に取ろうという若者ルイスが現れる。彼は暴行事件で告訴されるが、一貫して無実を訴える。
ルイスが無実かどうかなど疑問にもならない。疑問の焦点は、なぜ弁護士にミックを指名したか、その一点だ。
若者は資産家の御曹司で、高級車を乗り回し、自由な生活を送り、社会的地位が高く、法によって手厚く保護されている。
憎たらしいほど頭が働き、ずる賢い彼は、弁護士と依頼者間に於ける“秘匿特権”を逆手に取る。弁護士と依頼者の力関係が逆転してしまうところに、この作品の面白さがある。
本件の裁判で、ルイスの悪の正体を暴くことが許されないミック。法律のプロであり百戦錬磨の弁護士が、この難局にどう立ち向かうのか?
先が知りたくてウズウズするのだが、裁判ではあの手この手で検事をやりこめ、不本意ながらもルイスの無罪を勝ち取ろうとするから、話は混沌とする。
いったいどう決着をつけるのか、リアルタイムで進む法廷シーンを見つつ、形勢再逆転の切り札を探索し続ける頭は完全にオーバーヒートだ。
やっとミックの作戦が明らかになったとき、それはもう、してやったりとスカッとする。
ミックとリーンカーンの運転手アールとのやり取りが軽妙で、一服の清涼剤となっている。
波が2回
エンディングの盛り上がり部分、普通は 波が1回でピシッと閉めるのに この作品は波が2回くる。 でも、どちらも中波、あまり 余韻が残らない。
敏腕弁護士・ミックの事務所は リンカーン(車)の中。 今回 依頼された内容は 金持ちの息子にかかる殺人容疑を晴らすというもの。 一見 簡単な事例のように思えて、そこには あるワナが仕掛けられていた。。という内容。
危機迫るも、悪をおさえて勝利するという流れですが “危機の部分”がイマイチ表現できていなかったように思えます。 プレビューで ルイス(ライアン・フィリップ)がミック(マシュー・マコノヒー)を脅しているシーンが組まれていて、ドキッとしたのですが 本編での印象は薄く。。 殺人鬼なのに、大したことねぇなって 感じです。
また「脅されて 精神的に追い詰められるミック」という設定のシーンがありますが、ルイスへの恐怖心より 仕事がなくなったらどうしよう…的な落ち込み具合であまり共感できず。 ルイスの魔の手が 元妻(マリサ・トメイ)と娘に迫るという部分も 「話には聞いたけど、実際 起こらないでしょ」くらいの プチ不安で 元妻(マリサ)の出番なし。。 演技派女優さんなのに、もったいない。。
それでも 法廷でのバトルシーンは なかなか見応えありました。 知恵と知恵の激突。 なるほど、そうきたか!と 不意をつかれた驚きと 抑揚感が多少ありました。
その他、ジョッシュ・ルーカス(『ステルス』の元イケメン)、ウィリアム・H・メイシー(TVシリーズ『ER』に出てた)、マイケル・ぺーニャ(『シューター』)などなど、見覚えのある 俳優陣がそろってます。
しかし アメリカって国はすごいな。。弁護士もすごいけど、司法取引も、冤罪(えんざい)も、なんだか身近に感じて、そしてお金で解決してしまいそうなところが かなりリアル。 映画館じゃなきゃいけないってほどの 内容ではないけれど、興味深い作品です。
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