アリス・クリードの失踪のレビュー・感想・評価
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心理描写と状況描写
個人評価:3.5
冒頭のディテールがとても細かく、物語を積み重ねていくが、3人の精神的な積み重ねの部分が希薄なので、登場人物にリアリティさが足りなく感じる。
ジェマ・アータートンも金持ちの令嬢に見えないし、関係性もリアルに見えない。むしろその部分がテーマである様に感じるので、先細りの演出になっている。
リアルな心理劇。 見事に練られた脚本と、必要最小限に抑えられた舞台...
リアルな心理劇。
見事に練られた脚本と、必要最小限に抑えられた舞台設定。
登場人物も3人だけという徹底したサスペンスドラマです。
オトコ2人と女が1人で、その関係性が時間の経過と共に様々に変化していき、見ていて飽きませんでした。
シンプル・イズ・ベストを実践した映画で、本当に余計なものは何ひとつ付け足さなくていい。低予算でここまで面白い映画が撮れるという見本ですね。
キャストもそれぞれがリアルにシチュエーションを演じていて、引き込まれます。
面白かったですよ。
2014.6.19
ジェマ・アータートン♪
初めて観た時はジェマ・アータートンのヌード目的でした(笑) 静かな映画ってとこも気に入ってます、こういうの嫌いじゃないんですよね♪ 冒頭、色々なものを買って淡々と?監禁部屋の準備をする場面好きです(^-^)
思ったよりエンタメだった
慎重派のホモ、バカな彼氏、勝ち気な彼女の3人のみ。最後は強盗ふたりは仲間割れで同士討ち、彼女が命からがら逃げ延びて大金と共に車で去っていく。
まぁ楽しめました。
まあ低予算でここまで映画になったってだけであっぱれです。出演者3人、監禁場所2箇所だけの映像でここまでストーリーになれば良しとしよう。でも拉致られた女優がいかんせん007女優なのに全然B級女優にしか見えなかったのが残念。とまぁ映画的にはホモが原因でハチャメチャになった映画っすね(笑)
むしろ男はホモじゃなければ余計サスペンス的に面白かったかなって感じ。
ハラハラドキドキが止まらない!
突然、二人組の男に拉致監禁された一人の女。
冒頭の用意周到な準備〜誘拐実行は一切の無駄が無く、一気に引き込まれる。
二人組の男は、刑務所仲間のヴィックとダニー。
誘拐された女は、富豪の娘アリス・クリード。
身代金目当ての完璧な計画。
が、三人の関係性が徐々に判明するにつれ、計画に綻びが…。
最初から最後まで、ピンと張り詰めた緊張感が素晴らしい。
序盤の伏線もお見事、後半になってハラハラドキドキをさらに加速させる。
計画を遂行させようとするヴィックとダニー。
逃げる機会を狙うアリス。
それとは別の、それぞれの水面下の思惑が交錯する。
三人の心理戦からも目が離せない。
舞台はほとんどが一室、登場人物は三人だけ(!)。
誘拐&密室のサスペンス物も演出や脚本を捻れば、まだまだ面白く作れる。
秀逸のシチュエーション・スリラー!
練りこまれた脚本の良さ。
登場人物がたったの三人。誘拐犯の男二人と誘拐された女一人。
メリハリのきいた演出でストーリーは進む。
そして裏切り、陰謀、寝返りと複雑に絡み合っていくストーリーは見るものに先を読ませない展開となっていく。これは脚本の勝利。
シチュエーションとそのデティールが破綻無く繫がりラストに至る。
単館上映のせいで見逃していたのがDVDが出てやっと見れた。
J、ブレイクソン監督の次の作品が楽しみだ。
まさにサスペンス
緊張感とモヤモヤ不安定な気持ちで引っ張り回され、挙げ句の果て放り出されちゃいました。まさにサスペンスでした。
一人称が定まらなくて、場面にいない人物が何をしているのか気になって、胃がスッキリしない。つくづくポップコーン向きじゃありませんでした、そのつもりで創られた作品です。
アリス役のジェマ・アータートンはお姫様役より強烈、表情の硬さが良い方に出たって感じです。年配の男も薄気味悪く、三者三様、強い印象を残しました。
ラストで分かる『失踪』の真意。
これ、感心したのが登場人物たった三人なんですよねぇ。
彼らの会話で他の人物の存在は認められるんですけど、本編には一切登場しない。飽くまで、設定が分かる程度。
室内だけじゃなく、ロケも結構多めなのに、エキストラや通行人すら映り込まない。雑踏も聞こえてこない。
不自然なぐらいのこだわり様w
ストーリーも舞台劇を思わせるというか、密室で巻き起こる三者三様の思惑。嘘つき合戦。セリフとアクションを見事に駆使して、完成度高く仕上げています。
そして、邦題の『アリス・クリードの失踪』に込められた真の意味。
アリス・クリードが誘拐される訳だから“失踪”なんだろう?…と、思いきや―という、なかなか粋なラストでちょいと唸りました。
総括すると“低予算の小粋な良作”という、自分的には思わぬ拾い物をした感じ。
だからなのか、少し、公開前の配給さんが風呂敷を広げた感は否めないんですよね。
あの、クリストファー・ノーランやダニー・ボイルに匹敵する!みたいな煽りが、その…ちょっと。
そんなにまでか?そんな大絶賛か?という。
こういう実験的だったり挑戦的な映画って、巨万とあるじゃないですか。その中の一つというか。
あ、誤解を招くとアレなんですが、別にDISってる訳じゃないですよ?
「あー、楽しかった」のレベルだったというか。
あの、もう一度言いますけど、DISってはないですから。悪しからず。
「まぁがんばったんじゃないですか」くらい。
以下twitter(@skydog_gang)への投稿に加筆――
登場人物や撮影場所を限定して制作費を抑える、新人監督の常套手段的手法で作られたサスペンス。
わりと手堅くまとまっているもののヒロインが致命的にかわいくないため全く同情できない。
誘拐そのもののことかと思いきやラストで真の意味がわかる原題の妙は粋。
「映画は脚本と演出で決まる」の手本のような作品
冒頭、まったく台詞がないカットが続く。何の説明も無く、だが無駄がなく手際のいい準備が黙々と進められていく。この時点で、観客はただならぬ事件性を感じ、近代捜査の手を掻い潜るべく立てられた緻密な計画のなかにどっぷり浸かってしまっている。
「行こう」やっと発せられた一言から、3人のドラマが乱暴にスタートする。この映画の登場人物は3人だけだ。犯人が用意した密室を舞台に、誘拐犯と人質の女、2対1の攻防が第1ラウンドを迎える。
この映画の面白いところは、ラウンドが進むにつれ、2対1の力関係がころころ変わるところにある。
完全犯罪間違いなしの緻密な計画が、小さな嘘からほころびだす。嘘を隠すために嘘を上塗りし、ほころびはどんどん広がっていく。外界から閉ざされた狭い空間で猜疑心だけが膨らんでいく。嘘の物的証拠がたった1発の銃弾だけというのも面白い。「映画は脚本と演出で決まる」の手本のような作品だ。しかも両方を手掛けたJ・ブレイクソンは、これが長編初監督作品というから驚く。
さらに、3人だけのドラマを盛り上げた役者がいい。
エディ・マーサン演じる主犯格ヴィックは冷静な計画を立てる反面、相棒ダニーにはキレやすく荒いという矛盾した一面を持つ。そのダニーは、思慮が浅くヴィックに罵られると反抗もするのだが、けっきょく逆らえない。マーティン・コムストンのオドオドした表情が、自立できない男の弱さにぴったりで、作品のキーパーソンといえる役どころを好演する。ヴィックとダニー、このふたりの力関係の根源は、意外なカタチで露見する。ここも見どころだ。
そして最後はアリス・クリードことジェマ・アータートンだ。富豪のひとり娘にはまったく見えない。むしろ、“あばずれ”のようなしたたかさを持つ。しかも、綺麗なカットがひとつとしてない役だ。ボンド・ガールも努めた彼女が、この役を受けた勇気はハンパじゃない。
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