「ラストで分かる『失踪』の真意。」アリス・クリードの失踪 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストで分かる『失踪』の真意。
これ、感心したのが登場人物たった三人なんですよねぇ。
彼らの会話で他の人物の存在は認められるんですけど、本編には一切登場しない。飽くまで、設定が分かる程度。
室内だけじゃなく、ロケも結構多めなのに、エキストラや通行人すら映り込まない。雑踏も聞こえてこない。
不自然なぐらいのこだわり様w
ストーリーも舞台劇を思わせるというか、密室で巻き起こる三者三様の思惑。嘘つき合戦。セリフとアクションを見事に駆使して、完成度高く仕上げています。
そして、邦題の『アリス・クリードの失踪』に込められた真の意味。
アリス・クリードが誘拐される訳だから“失踪”なんだろう?…と、思いきや―という、なかなか粋なラストでちょいと唸りました。
総括すると“低予算の小粋な良作”という、自分的には思わぬ拾い物をした感じ。
だからなのか、少し、公開前の配給さんが風呂敷を広げた感は否めないんですよね。
あの、クリストファー・ノーランやダニー・ボイルに匹敵する!みたいな煽りが、その…ちょっと。
そんなにまでか?そんな大絶賛か?という。
こういう実験的だったり挑戦的な映画って、巨万とあるじゃないですか。その中の一つというか。
あ、誤解を招くとアレなんですが、別にDISってる訳じゃないですよ?
「あー、楽しかった」のレベルだったというか。
あの、もう一度言いますけど、DISってはないですから。悪しからず。
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