「あとから追加される情報で予期せぬ展開へ」アリス・クリードの失踪 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
あとから追加される情報で予期せぬ展開へ
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知らないキャストと知らない監督の作品だと思っていたら、かなり面白かった「パーフェクトケア」のJ・ブレイクソン監督作品だった。
2作品しか観ていないが、脚本も手掛けるブレイクソン監督の特徴は、突然明かされる驚きの展開だろう。
本作でいえば、誘拐されるアリスクリードと誘拐犯の一人ダニーが顔見知りであったことと、誘拐犯の二人ダニーとヴィックが恋仲であったことだ。
それぞれ中盤と終盤に明かされるわけだが、このおかげで最初の設定から考えていたような展開にはならず、予期せぬ方向へ物語は進んでいくところが面白い。
しかし、急に明かされる裏設定のようなものなので受け入れられず気に入らないなんて人もいるだろう。ぼくの考えてた展開と違う!みたいなね。
登場人物は3人だけ。限られた中で最大に違和感とスリリングさを演出したように思う。
違和感というのがとにかく効いてる。衝撃の事実が明かされる前から、なんかちょっと色んなところでぎこちなく、裏がありそうな雰囲気が充満している。
冒頭の、誘拐までの下準備のシーンも面白かった。一言もしゃべらず手慣れたリフォーム業者のように黙々とこなす。本当にただのリフォーム業者の動きだがBGMによってサスペンスシーンに見えるのだから、映画における音楽の重要性を再認識した。
あとは、タイトルになっている「アリス・クリードの失踪」は、この作品が終わったあとのことを指していたね。
大金を手にし何処かへ消えたアリス。
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