「濃密な25分」ほしのこえ pearlboyfriendさんの映画レビュー(感想・評価)
濃密な25分
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この作品は25分と短めだが、あなどるなかれ。まるでチーズのように、いろいろなことがぎゅっと詰まった作品。
探査隊に選抜された少女美加子が、彼氏昇を地球に残して旅立ってゆく。地球から遠ざかっていくにつれて、メールが相手に届くのに時間がかかってゆく。
今までは送信ボタンを押した瞬間に相手に届くはずのメール。それが、1週間、1ヶ月、半年、1年・・・そして8年。超高速で移動する少女が過ごす時間の何百倍もの速さで、彼氏のいる地球の時間は過ぎてゆくのだ。
彼女からのメールをただ待つだけの存在になってしまうのではないか。漠然とした不安に駆られる昇。もはや2人が同じ時間軸上を過ごせない(同じ世界の空気を吸えない)という意味で、時間的な隔離は空間的な隔離以上に、2人を引き離すのだ。
16歳の美加子からメールを受け取る、現在24歳の昇。彼の中で、やっと美加子は16歳になれたのだ。時間が二人を引き離す・・・
だが、一つだけ確かな事実がある。それは、自分が生きている「今」を、確かに美加子も「今」を生きているということだ。たとえ8年かかろうが、確かに、自分と同じ時を過ごしている。そう思えた瞬間、昇は、そして僕自身も、あたたかい気持ちになれる。「ほしのこえ」とは、気の遠くなるような(永遠とも思える)距離を隔てても、「生きてます、私」ーそういうことではないだろうか。
ただ戦闘部隊のロボット兵がなんか低クオリティ。戦闘のシーンももう少し充実させてもいいと思うのだが。まぁそうすると肝心のストーリーが後ろに隠れてしまうのも否めないのだが・・・(汗)
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