「なんだろう…イイなこの感じ。」しあわせのパン waxcafeさんの映画レビュー(感想・評価)
なんだろう…イイなこの感じ。
全くの圏外だったんですが、レビュー評価がわりと良かったので、
どんな作品なんだろうと興味を惹かれて鑑賞してみました。
感想としては、
小粒な作品ながら、素晴らしい要素がバランス良く詰まった良作。ですね。
コンセプト的にはTBSの深夜ドラマ「深夜食堂」に近いモノが。
様々な悩みを抱えたお客さん達が、とある食堂にやってきて、
美味しいお料理と、優しい心配りによって、元気を取り戻すハートフルストーリー。
「しあわせのパン」はまた独特の世界観と良さがありますが…
「しあわせのパン」を見たとき真っ先に飛び込んで来たのは、
北海道の素晴らしいロケーションでした。
草原の草花が風になびく様子に、北海道の風を感じ、それだけで心が癒やされます。
作品の中では、四季を通して、その景色や食材の変化も見せてくれるのですが、
これが各エピソードの要素と絶妙に絡みあっていて上手いな~と感じました。
そして欠かせないのがカフェ「マーニ」で出されるとても美味しそうなお料理達。
エピソードに合わせて様々なお料理が登場するのですが、
旅人の冷え切った体や、寂しい心を癒やし、温めてくれる素敵なお料理が登場します。
芳ばしそうなパンや濃厚なスープ… 絵の撮り方が上手いというか、シズル感が最高!
食後に鑑賞したはずなのに、いつの間にかお腹が空いて、パンが食べたくなってしまいました。
この作品には3つのエピソードが登場します。
言葉で読むとありきたりなエピソードに思えたのですが、
実際作品の流れで観ていると、役者が素晴らしいのか、演出がうまいのか、
一つ一つのエピソードがとても輝いて見えました。
個人的にはそれぞれのお話の中に、ググっとくるポイントが必ず一つあって、
結構ほろっとくるお話ばかりです。
最後に、物語とは直接関係ないキャラクターなんですが、
ところどころに登場する「ヒツジ」ちゃんがとても可愛い~。
モコモコしていて思わず抱きしめたくなります。
ということで某作品のような「日本よ!これが映画だ!」なんてインパクトは無いですが、
なんだろう…イイな~この感じ。って、観た後、静かに心に残る。そんな作品でした。