「目が見えなくなる恐怖」ロスト・アイズ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
目が見えなくなる恐怖
前半は姉サラが自殺した原因、最後の旅行で恋人を伴っていたことへの独自の捜査が中心で、「誰かがいる」と常に恐怖で怯えていた彼女の真相を見つける展開。隣家の娘・リアという存在も気になるところだ。やがて、サラと一緒にいた男をつきとめる寸前に、そのビデオが盗まれ、行動を共にしてきたフリアの夫・イサクがサラと同じように首吊り自殺を図った・・・
「君の瞳の中に宇宙が見える」なんてイカした台詞で愛を育んできた夫が自殺?遺書にはサラと不倫を続けてきたことへの懺悔が記されてあった。同じ顔の女性、同じ失明する病気と闘う女性なんだからしょうがないか・・・などとボーっとして見ていたら、今度はフリアが失明へのピンチ!サラの自宅で過ごすフリアの元へ毎日看護師が世話をしにやってくることになった。彼の名はイバン。そして、隣家の娘・リアが登場。しかし、フリアの目が見えないための演出のため、リアの顔がわからない。そして、真犯人はイバンだと告げるのだ。
偏執的な愛を求める影のような男イバン。なんとなく『トーク・トゥ・ハー』を思い起こさせるキャラクターだ。ギレルモ・デル・トロ製作となっているので、ホラー感覚はばっちり。しかし、犯人がわかってからは、どうしても『トーク・トゥ・ハー』のように男の心理を描いてほしかったが、単なる殺人鬼で終わってるところが残念。それでも目が見えなくなるかもしれない恐怖と、あと4日を待たずに包帯をとってしまったフリアが目の見えないふりをする心理戦は見事だった。でも包丁を突きつけられたら瞳孔が開いちゃうような気もするが・・・
最後にはやがて失明するフリアのアップで終わるが、この余韻を残す表情に涙を誘われる。