「時間の無駄」ウィンターズ・ボーン okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)
時間の無駄
この映画が評価できない一番の理由は、コントラストの無さ、にある。
陰鬱な物語を陰鬱な映像と音楽で演出し、陰鬱な演技と陰鬱な田舎町を舞台にして描く。ベクトルがすべてネガティブ一方向に向いていて、奥行きがない。
これは好みの話ではなくて、映画あるいは表現全般には欠かせない要素だと思う。悲劇と喜劇は表裏一体だろうし、絶望の先にこそ希望を見いだせたりする。暗い物語に明るい映像を合わせる、笑いの中に悲しみをしのばせ、地味な展開をテンポ良く見せる、など。
時間を無駄にした、と感じさせる映画は久しぶりだった。最後に金渡されてもな。
少量の同情心のみでプラスの評価。
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