「最後の唐突な話は蛇足」アントキノイノチ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
最後の唐突な話は蛇足
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総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
心に傷を負ってどこかが壊れてしまったまま生きている。人の死を見つめる仕事を通して、鋭く尖ってしまった感受性で人の死の向こう側を捉える。そこに悲しみがあり無常さがあり痛みがあり、でもそれらを経験して心を癒していく。その二人が一度離れて、再会をして、最初は拒否しながらもまた浜辺で心を共有したとき、魂は浄化されて再生への明かりが見える。
でもそこで十分に物語は完結していた。むしろそこで終わっておくべきだったと思う。最後の事故の話は唐突だし、何より必要性があったとは思えない。せっかく静かな脆い雰囲気があって、長い暗闇をくぐってここまでたどり着いたのに、ここでわざとらしさというかあざとさを感じてしまった。これがなければ最後の余韻に素直に浸れたのに残念。
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