「まともな人間がほとんどいない」生き残るための3つの取引 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
まともな人間がほとんどいない
証拠不十分の容疑者を死なせてしまうという大失態。事実をもみ消しし、スクラップ工場のプレス機で死体を始末。そうなると真犯人が必要になる・・・という酷い警察内部。
真犯人捏造に選ばれたのはイ・ドンソクという男。障害者の妻と幼い娘がいるが、過去に少女レイプの罪で12年の刑を言い渡されている。チェ・チョルギ(ジョンミン)は部屋中に散りばめられた過去の犯罪者たちを蹴散らして、もっともらしい犯人を選んだのだ。最初の取り調べでは妻の証言でアリバイが証明されたとのこと・・・しかし、妻本人が登場すると、証拠能力があるとは思えない・・・てな感じで。チャン・ソック(ヘジン)という建設業者をやってるヤクザと癒着していたチョルギは彼にドンソクを犯人に仕立てさせ、送検まで持ち込む。障害者の家族に1億ウォンという金を用意させ、本人には精神鑑定で無罪に持ち込むと約束したためだ。
チュ・ヤン検事(スンボム)はソックとライバル関係にある建設業者と癒着していて、そのためチョルギをマークしていた。そこへでっち上げの疑惑が浮かび、さらにチョルギを捜査する。こうなったら検事の職務は二の次だ(笑)。チョルギにとってはヤバい状況。彼はゴルフ場で癒着現場の写真を撮らせ対抗するのだ。さらにソックに相談してドンソクを獄中で自殺に見せかける殺し屋を用意させる。その殺し屋は検事とつるんでいた建設業者のキム会長をも殺した。ドンソクが自殺したおかげで事件は解決?真犯人はどうなるんだ・・・
収賄や口利きなど、ヤクザとの関係を断ち切りたいチョルギ。脅迫されたが、彼を工事現場のエレベータを墜落させたのはソックの部下。今度はその部下がチョルギを脅し、チョルギによって銃殺。不運なことにチョルギの部下デホが彼を心配して凶行を止めに入ったが、誤射によりデホは死亡。そのまま上手く報告すればいいものを、チョルギはまたもやそこで現場を偽装工作。デホとヤクザの部下が相討ちになったように見せかけたのだ。
おかげでチョルギは昇進するが、科学研究所から真犯人のDNAが特定できたと連絡が入る。それはなんとイ・ドンソク。でっち上げたと思っていたら、真犯人だったというわけだ。そして、さらにソックの運転手が偽装現場を撮影していたことをチョルギの部下たちが突き止める。自分一人だけ昇進した上、デホの葬儀にも参列しなかったチョルギ。部下たちは運転手を使ってチョルギを殺させるのだ・・・・あぁ、なんとおぞましい。
警察も検察も後ろめたいことだらけ。登場人物の中ではまともな人間がほとんどいない。後味も最低なのがいい!おまけにドンソクの娘というのが障害者の妻の連れ子であり、そのために結婚したんだという事実・・・おぞましい。