第九軍団のワシのレビュー・感想・評価
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作り手の意図を知るとまったく違う作品に見えてくる
史劇映画ではあまり描かれることがなかった、ローマ帝国支配下のスコットランドを舞台にした風変わりな作品。ローマ帝国の軍人がチャニング・テイタムというキャスティングの時点で、サッパリ古代ローマ人には見えずミスキャストだと思ってしまうのだが、後からローマ人がアメリカ人のアクセントで喋ることにちゃんと意図があったことを知って驚く。
そもそもハリウッド映画では古くから、ローマやギリシャを舞台にした史劇映画ではイギリスのアクセントで喋らせることで時代感を出すことがお決まりのパターンだった。しかし本作では敢えてアメリカのアクセントにすることによって、ローマ帝国の帝国主義を現代のアメリカになぞられている、というのだ。
なんだかよく知らない時代のお話も、現代の写し絵であると知ると見え方が随分と変わってくる。映画は必ずしも素養や知識や事前の予習が必須ではないと思っているが、作り手の意図を知ることでまったく違う作品に見えてくるパターンとして、興味深い成功例だと思う。ケビン・マクドナルドは世間的に過小評価されていると思っているが、やはり一筋縄ではいかない映画作家だと教えてくれる1本。
これぞアメリカ映画!!
正義と悪が居て、ヒーローが居て、悪は野蛮に描かれていて、正義は文明人。
父の名誉のために戦うヒーロー。
失った誇りを取り戻すために立ち上がり決死の戦いを繰り広げる老兵。
絶体絶命のピンチになるけど、信念を持った正義は最後に必ず勝つ!!
そして、不可能と考えられていたミッションを成して帰国し、
出発前に家族の名誉を侮辱したインテリ君に言ってやってスカっとして終わる。
「どれだけヒーローをかっこよく描くか」に特化したアメリカ的要素満載のアクション映画。
戦闘シーンのかっこいいアクション映画を見たいときには良い!
なんか感動的な話に仕上げてるけど‥
アザラシ族側の視点で観ると、ローマ帝国が侵略しに来たから土地や家族を守る為に返り討ちにしたら、自己満の名誉の為に逆恨みされて部族長を殺され、怒って追いかけたら全滅?
マーカスとエスカの2人になってから面白くはなったけど、どう考えても主人公マーカス(ローマ)側が悪いよなぁ〜って思いが拭えず、全く乗れませんでした‥。
エスカだけはイイ奴だな、とは思いましたが、壁の北側の部族にしたら、とんでも無い裏切り者だよなぁ。
マーカスは世間知らずのお坊ちゃんだから仕方ないかもね。
そしてアザラシ族、可哀想‥。それだけ!
演出力が高い
総合:85点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:90点|ビジュアル:80点|音楽:75点 )
亀甲隊形というのは知らなかったが、個人の戦いに加えて集団戦法をしっかりと描いてくれていて、演出の質がとても高い。亀甲隊形から円陣、そして戦車が出てきて退却までの指揮官としての指揮ぶりもしっかりと劇中に取り入れられているのが良い。冒頭の場面だけでこの作品の良さが十分にわかった。続いて壁を越えて敵地に潜入する命懸けの冒険も楽しめた。
美術も衣装も良く出来ていて当時の状況が出ていたし、美しくも厳しい風景と音楽とで物悲しさと任務の危険さを表す情緒的雰囲気が出ていた。異民族の描き方も、異様でありながらも彼らをただ倒すためだけの敵役として描かず、彼らも被害者であり彼らの言い分もしっかりと取り入れているのもいい。
気になったのは物語で、危機の際にずっと以前に兵士をやめたかつての軍団の兵士があっさりと揃い、しかもしっかりと昔のように戦えるというのに不自然さと都合の良さがある。負傷し疲労困憊しているはずの主人公がいきなり回復して力いっぱい戦えるというのも変だった。この結末は駄目。
それと主人公と奴隷の二人の信頼関係を築く部分をもっと描いていてくれないと、物語の核となる部分が弱くなる。設定がいいし当時のことも良く調べてあるだけに、この部分で質を下げている。
楽しかったけど少し足りない
私は原作を読んでからみました。
わりと原作を尊重していますが時間の都合でしょうか、エスカとの絡みが原作と違ってました。
二人は旅の中で信頼を築くのではなくて、信頼を築いた上で旅をしてほしかったです。
あと原作にはコティアという女の子がでて来ますが彼女も見たかったです。
と、原作を知っているものとしてはそう思いましたが、原作を考えずに映画単体として見ればすごくよかったと思います!
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