「妻がうつ病である私から見た映画の総評」ツレがうつになりまして。 lattleさんの映画レビュー(感想・評価)
妻がうつ病である私から見た映画の総評
うつ病については非常にライトに描かれている映画であると思う。現在、妻がコロナによってうつ病となり16ヶ月ほど経つ。サポートしてきた身として、実際はこれよりもっとシリアスで、重く、苦しい病気ということを世の中の人たちには理解して頂き、周囲に罹患している方がいた場合はその人を否定する事なくサポートをお願いしたい。この映画で言われている「うつ病」の大まかな症状(自殺観念、泣きたくもないのに涙がでる、外を出歩くなどすることに対して疲れる、過眠、不眠など)や現在「うつ病」の原因として考えられているセロトニン不足、療法については簡潔に纏めてあり非常にわかりやすい。うつ病を知らない人にとってはどういうものなのか?という事がなんとなくわかったのではないだろうか?
映画に出てこなかった(出てきたが軽く流されていた)辛い症状を上記に付け加えると、うつ病患者はには3大欲求が薄れている事が多いため、薬が合わず寝れない、食欲が無く食べない事が多々ある為病状が中々良くならない、(個人差はあるが)抗うつ薬の副作用で性欲がなくなる為パートナーとしてサポートしている側は地獄。この様な点も頭に入れておきたい。
さて、ネタバレしない程度に映画の内容を総評すると、内容についてはライトではあるが要点は押さえており非常に親しみやすい内容であった。
堺氏、宮崎氏の演技も流石、うつ病患者をサポートする身としては二人の演技を見て、その姿を自分達と重ね合わせる事で自然と涙がこぼれる。
終わり方には、少し違和感を抱いたが観てよかったと思える映画であった。
映画でのセリフと被ってしまうが、数年後にこの映画を妻と二人で見て「こんな似たような事あったよね」と笑い飛ばせる様になってれば嬉しい。