「明日は我が身」ツレがうつになりまして。 Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
明日は我が身
夫に守られて生きてきた売れない漫画家の「ハル」さんが、夫のうつ病発症をきっかけに自分の人生や夫との関係、仕事への向き合い方などをひとつひとつ見直し、夫を支えながら夫婦で成長していく物語。
相手がうつになっても取り繕ったり必要以上に優しくしようとしたりせず、言うことは言う、嫌なものは嫌(納豆とか!)、なハルさんの態度がすごく好印象だった。
ツレのお兄さんみたいな無神経な存在は、うつが比較的世に知られるようになった最近でもやっぱりいるのかなぁ。
もっと年代が上の人(例えばツレのお父さんとか)の方が「病は気から!」っていう根性論的な考え方をする人が多い気がして、もっとリアリティがあったような。
相手を思いやる気持ちの有無に年齢は関係ないっていうメッセージでもあるのかな。
お兄さんはともかくとして、総じてツレは理解ある家族に恵まれたなぁ。
うつ病に偏見を持った登場人物ががいかに少ないか。
きっと映画のテーマは夫婦愛、家族愛だからそう思って観ればほっこりと心温まる素敵な映画。
でも実際は心のどこかで「現実は理解を得るのもっと難しいんじゃね...?」と思ってしまう捻くれ者の私もいた。
そして最後ツレが講演をするっていう展開にもやや抵抗が...会場に揺蕩う優しさの渦みたいなものがちょっと不気味で、引いちゃいけないんだけど、引いちゃう感じ。
昔通っていたカウンセリングの集団セッションに似ている。
ツレが自殺未遂をしたときの宮崎あおいの演技には息を飲んだ。
名前を呼んだり何かセリフを言ったりするんじゃなくて、ただ「あ、あ、あ・・・」って声にならない悲鳴をあげながら駆け寄っていく。
ハルさんが本当に動揺ているのが伝わってきた。
やっぱすごい女優だなぁ~、宮崎あおい。
この映画を見て、その数日後に友人の結婚式に行って、自分が結婚したのもう四年前かい!ってなって、なんかいろいろと思うところがありました。
月に一回くらい結婚式に行って、その都度リセットして気持ちを新たにしながら生きていきたいよね。え、他力本願?
ちなみに、ちょい役でもいいから小出恵介が出てきてたら星5つの最高評価でした(何の話