「カミングアウト問題」あしたのパスタはアルデンテ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
カミングアウト問題
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何となく気になるタイトルに惹かれて鑑賞。ところがパスタやイタリア料理の映画でもないし終始ゲイに悩む兄弟のお話でした。
カトリックの本山だからゲイに対する風当たりが強いのも頷ける、もっとも「薔薇の名前」のように司祭の少年愛事件などもあるのだから神を持ち出しても如何わしさが付きまとう、映画では唯一兄弟の秘密を知る理解者の祖母の若き頃の不義密通エピソードや父親の不倫までいれて愛の形に罪など無いのよと諭すのだが微妙。
総じてLGBTへの励まし映画かと思ったら、案の定フェルザン・オズペテク監督自身もカミングアウトしているし、友人の兄弟の実話に触発されて作ったものらしい。
古い世代の父親像なんてまさに典型的、ただ母親の使用人を見下す高慢さやご婦人方の醜聞好きには閉口する、色情ぎみの老婦人や風変りな美人実業家など女性の描き方に癖が強いのも監督の女性観なのだろうか・・。
原題のMine Vaganti(浮遊魚雷から派生して近づくと危ない人物を指すらしい)から転じてのこの邦題、見事に騙されました。ゲイの話としてもせめて「キンキーブーツ」のようにパスタ工場の再生物語であれば楽しめたのですがメッセージ性が強すぎて困惑です。
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