「映画ならではの視点」あしたのパスタはアルデンテ よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
映画ならではの視点
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同性愛映画ずきとして本作は公開時にチェックしてはいた。
だが、予告と邦題が興味をそそるどころか、観客の期待に応えない映画であることが確信されるものだった。
深夜テレビでの放映を観て、劇場に足を運ぶ値打ちはあったと感じた。
ステレオタイプに描かれる保守的な父親や、その父親に意見できない母親などに不自然さを感じたものの、そのプロットの面白さとそれの描き方が良かった。
自分の長年の秘密を家族に告白しようとした矢先に、兄が同様の秘密を告白してしまう。このことによって主人公は、もし自分が告白をしていたら、家族からどのような扱いを受け、家族がどんなふうに動揺するのかを客観的に経験することになる。
そのほとんどが事前の予想通りなのだが、自己に関する出来事ではなく、他者に関する情報となることで、主人公の行動は予定されていたものとは異なるものになる。
映画が得意とする表現を、奇をてらわずにきちんと映像にしている。
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