「ドブネズミみたいに~♪」さや侍 かちたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
ドブネズミみたいに~♪
クリックして本文を読む
地位も財産もない、ただ逃げ回る刀を持たないお尋ね者、わが娘からですらも責め立てられるとは、侍というには程遠く、天地雲泥の差があり、それはまるでドブネズミのよう・・だからこそのキャラ設定が面白い。
逃げ場を無くし、回りからせきたてられ、冷たい視線の中、何度も切腹を申し渡され、くりかえしおこなう30日の業、そこに観えてくるものは、さぶーい笑いを、時に身の危険を冒しながら、ただただ真剣に体当たりしゆく、物言わぬドブネズミのよう・・だからこその美しさが次第ににじみ出てくるようだ。
最後の恩赦にも応えず、侍となって切腹しゆくその姿は、迫真の演技であり、悲愴の中に魅せた美しさ・・だからこその侍の本懐、天に昇りつめた姿だ。
松本人志監督作品だからと映画館で観た時は、笑うということに注目し、だからこその裏切られた感があった。
しかしDVDで、再認識したことは、汚いおっさんが魅せた演技や笑いを超えたドキュメンタリ―作品であるということであり、だからこその汚いおっさんが素で放った、人間としての最高に美しい姿がそこにあった。
新たなる大感動がわいてきたので、だからこその感想を書いてみました。
コメントする