「原作に忠実にやってはいるが(・ω・)」スマグラー おまえの未来を運べ 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
原作に忠実にやってはいるが(・ω・)
石井克人監督の映画は『鮫肌男と桃尻女』と『キル・ビル』のオーレン石井のアニメシーン以外は観てないけど・・・
実は俺結構が好きだったりする(^_^)
『鮫肌男と桃尻女』は、登場人物が急に変な動きや顔をしたり、いかにも怪しげなメイクや衣装で度肝を抜いたりする演出が満載で好き嫌いが分かれると思う。
他の映画も多分に漏れずそんな感じだって聞いたことある。
でも俺は好きだし、真鍋昌平原作の漫画も好きだし、こいつぁ観に行かんと!!と思って行ってみたら・・・
ストーリーはほぼ原作通りに再現してて、漫画を読んだことがある人なら流れがほぼ分かってしまう(;´∀`)
まあそれはいいんだけど、原作ファンの度肝を抜くようなシーンももっと欲しいo( ゚Д゚)oブンブン
運び屋の社長が原作ではおっさんだけど、演じてるのが松雪泰子。
衣装がゴスロリってのが気味悪い気もするけど・・・それなりに似合ってるのが何か中途半端な感じがした(;・∀・)
そしてやくざの河島を高島政宏が演じてるけど・・・いかにも悪役って感じのビジュアルでコントっぽくなってるにはちょっとな~(´Д`)ハァ…
殺し屋の背骨を演じてる安藤政信はかなり雰囲気出してるし、体も相当鍛えて作って頑張ってるけど・・・ラスト近くでジョーとやり合う時になって、拳銃をよけるのに何であんな貞子たいな動きをする???
あと殺し屋の内臓が出てくる夢?みたいなのが意味が分からん(o゚ェ゚o)
また阿部力のねぐらで、女が部屋の中で薬でも打たれた風にたむろってるけど、全然やばさが伝わってこない(゚ω゚)
原作では女子高生が薬を打って完全にいっちゃってて、もう何が何だか分からないような状態になってるのに、これじゃ単なる色町にしか見えん(゚∀゚)
満島ひかりの役は可愛い過ぎるヾ(゚Д゚ )ォィォィ
原作ではもっと血気盛んで強気な感じなのに、これじゃたこ焼きの下りが全然生きてこない(^_^;)
じじいの我修院達也もな~・・・あれじゃじじいって言うよりただのおかしな人のテンションだ(;´Д`)
クライマックスの拷問シーンも中途半端。
他の感想では、相当残酷で観てて痛い!!みたいなのが多いけど・・・そんな残酷かこれ?
河島が昔の軍人の服を着て紙おむつを履いて拷問をするわけだけど、緊迫感がいまいちだし、もっと異常性を見せつけて欲しい(ll-艸-)
主人公の砧は、背骨をやくざの所に運ぶ際に背骨に逃げられたため、やむなく背骨の身代わりになりきって運ばれて拷問を受けるわけだけど、髪の毛が真っ白になるくらいの激しい拷問を受けたにもかかわらずずいぶんきれいな顔してないか???
ブッキー頑張ってるけど、いかんせんそこで背骨になりきる場面が短か過ぎるし、ここ何の台詞もないから何が起こったかいまいち分からん(´・д・`)
ただ最初の死体を運ぶとき、警察に止められて車を調べられる時に「こいつ病気にかかってて、感染しますよ」と言って切り抜ける場面も、原作だと別に何もしないんだけど映画だと目をついて目を赤くしていかにもやばい病気に感染してる風を装うというシーンは(・∀・)イイ!!
そしてその警官2人を原作だと殺しちまうけど、映画では殺さずそのままやり過ごすのも好感持てました(∩´∀`)∩ワーイ
全体的に原作に忠実になるあまり、説得力に欠けるかなと。
真鍋昌平の漫画の持つ「日常に潜む禍々しさ、狂気、悪意」みたいなのが描ききれてないと思う(・ω・)