ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路のレビュー・感想・評価
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あの時代の女の子の運命
エンドロールを見て、口唇を噛んでしまった。
― あのあと、姉ナンネルがどんな残酷な運命を時代からあてがわれて行ったのか、に。
もうひとりの女の子は、修道院に幽閉されていて、修道女として一生を終える覚悟のルイ王の王女。子供なのにあの諦念と、自らの身の上を受け入れるあの目は、胸が痛くて耐えられないシーンでした。
そして姉のように慕われたナンネル。そして二人の死。
哀しみの女性史を見せられてしまった。
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「アマデウス」と対で観ると、当時の音楽界やモーツァルト家の実情が迫ってきて心にしみます。
イタリアの17世紀のカトリック司祭ビバルディは、養護施設の女子に演奏家としてのチャンスを与えて、当代一の楽団にしましたが、女性が自分の意思で作曲家として楽壇に出て行くにはクララ・シューマンの19世紀を待つしかなかったのです。
配役:
ナンネルと王女役の二人の女の子は実の姉妹で、監督の娘さんたちだそうです。
父親目線での、「娘たちには幸せになってもらいたい」という思いも、スクリーンから伝わります。
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儚く、切ない女性の生き様
天才モーツァルトの姉・ナンネルにスポットが当てられたお話です。
自由に作曲することも、演奏することも出来ない彼女の姿が儚くも美しく描かれていました。
静かですが、とても心に響きます。
ちょっとわかりにくい部分もありましたが、大筋は読めます。
ハッピーエンドになれない彼女。今の時代に生まれていたら、、と同情の気持ちがわきました。
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