劇場公開日 2011年9月17日

「いったい誰が信用できるのか?」アンフェア the answer マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0いったい誰が信用できるのか?

2011年9月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

TVドラマも劇場版(前作)も観たことがないが、オープニングのざっくりした解説で主人公・雪平の置かれた立場はじゅうぶん理解できる。ほかの登場人物も、話の進み具合でレギュラー陣を区別することができるから、この作品が初めてでも何の問題もない。

雪平の素手での格闘能力が低くて意外だったが、万能のスーパーヒロインではなく、生身の人間として描かれた作品だと知る。
ファッションも含め往年の梶芽依子を連想するが、押し殺した台詞と鋭い目つきだけでは、梶芽依子のように爪を隠した女豹のようなキワどさは出ない。
篠原涼子は綺麗になったと思うが、妖艶さがない。悪いヤツにいたぶられても、グッとくる妖しさが不足だ。本来なら、いちばんの見どころなはずだ。ベッドシーンに至っては、佐藤浩市とふたり揃って濡れ場が似合わない。ふたりの関係が重要なだけに、この作品にとって決定的なマイナスだ。

猟奇的な殺人犯の棲み家は、おどろおどろした雰囲気によくできている。
建物の内部構造と照明、目を背けたくなるような小道具の数々、動物の肉片など画面にスキがない。犯人役の役者もよく、この屋敷で何年も暮らしてきたかのように溶け込んでいた。
事件の要になる部分だけに、佐藤嗣麻子監督もしてやったりというところだろう。VFXも使いこなせる監督さんで、今後も楽しみ。

事件の現場写真を見ながら焼き肉を突っつき合う場面は、なかなかにブラックだ。

ラストは、やられっぱなしの雪平が鬱憤を晴らすような小気味よさ。なんの前触れもなく、タンタンターンとことが進む。スマートフォンの使い方がいい。すべてが明るみに出てから、ゆっくりと起こったことの説明を入れる編集もいい。映画ならではの面白さだ。

それにしても、誰も信用できんのか? おっそろしい世界じゃのー。

マスター@だんだん