「裏切者は誰だ!?」アンフェア the answer kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
裏切者は誰だ!?
監督が山崎貴の妻・佐藤嗣麻子。TVシリーズも全て見てみたが、この劇場版第2作はTVシリーズの雰囲気そのまま。何が凄いって、『ソウ』シリーズにかなりインスパイアされていて、おぞましさと残酷さは女性監督とは思えないほどなのだ。
連続殺人犯の結城(大森南朋)はすぐに姿を現わすが、彼を操って指示を出している黒幕の正体がわからないという設定。逮捕された雪平が突如東京からやってきた検察の男・村上(山田)の「自分を人質にとって逃げろ」という提案に従い、東京まで逃げ延びる。そこには北海道で肉体関係にあった刑事・一条(佐藤)も尾行してきていて、雪平を守るのだが、直接殺人犯結城と対峙した雪平が三上薫(加藤雅也)の協力を得て、彼の隠れ家へと単独潜入する。不気味な洋館の中はジグソウが好みそうなアンティークとグロ。やがて結城が帰ってきて雪平は捕まってしまう・・・
前作のラストでヘリポートで殺された公安の上司・斉木(江口洋介)から手渡されたUSBがポイントとなる今作。警察の裏金に関わる全てのデータが入っているのだが、フリージャーナリストとなった佐藤が解読を試みたが、元となるコンピュータに差さないとデータが読み込めないというUSBのようだ・・・よーわからんが。犯人とのやりとりの謎やUSBはどこへ消えた?とか、色んな事実をフラッシュバックのように解き明かす手法においても『ソウ』シリーズそっくりに仕上がっている。
裏切者、黒幕は誰だ?という謎解きも、結局は一条が怪しさを振りまいていた。佐藤浩市の唇なんて誰が見てもわかるんだから、冒頭から怪しく輝いていた(笑)。そして検察の村上にしても途中から意志が弱くなっていくし・・・それでもビックリしたのは雪平が結城と取引をして逃がしてやったことや、薫ちゃんまでが黒幕の一人だったこと。怪しかった阿部サダヲが最後に頼りになるなんて・・・“アンフェアにはアンフェアを!”という言葉がここで活きてくる。
まぁ、派手さはないが、一条、村上、薫ちゃんの3人がUSBを手に入れデータが全て保存されていたことに安心していた矢先、USBが爆発してデータが全て雪平のパソコンに転送されてしまうというどんでん返しにはスカッとさせられる。それを暴露するのか?雪平。なんだかまた続編が作られそうな予感もするぞ。