コリン LOVE OF THE DEADのレビュー・感想・評価
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工夫は見られる
制作費¥6,000で製作されたイギリス産のゾンビ・ムービー。
監督、脚本、編集、撮影などをマーク・プライスたった一人でこなしたと言うから驚きである。予算の関係上、確かに映像はかなりチープだ。またPOV形式のため、映像の手ぶれが酷く、それで誤魔化しているのではとも感じる。
ところが、それなりにゾンビ映画でお馴染みの阿鼻叫喚の襲撃シーンや、ゴア描写などもしっかりと用意されている。
また、ゾンビを飼う狂人や、ゾンビ狩りを楽しむ人間など、印象に残るものはしっかりと描いてくれており、好感が持てた。
残念なのはストーリーだろうか。低予算にも程がある作品にこういうケチをつけるのもどうかと思うが、ストーリー性は無いに等しいものであった。ゾンビとなった青年のロードムービーなので、その場その場のイベント的展開を楽しむべきだろうが、私ははまらなかった。しかし、この手の切り口の作品でここまで主人公の目線で描いた作品は少ないだろう。そう考えれば貴重な存在である。
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自宅にて鑑賞。英国産。製作・脚本・撮影・編集・監督を兼ねたM.プライスが僅か£45(約\6,000-)で作ったと云われる。手振れが酷いのと画面の明暗差が激しく、全篇誤魔化された感じ。このジャンルに恋愛の切なさをを持ち込んだのと人が上から落ちるシーン位しか見所は無い。なるほど、コレでは低予算しか売りが無いのかも知れない。評判のレンストランに行くと、調味料は最小限で素材も裏で生えてるモノ、原価物凄く廉いんですヨ、でも美味しいでしょと云われてるみたい。こんな料理を出されたら、肥えた舌には耐え難い。35/100点。
・鑑賞日:2012年5月7日(月)
日本で付けたとおぼしき副題がちょっとダサイのが玉に瑕、製作費600...
日本で付けたとおぼしき副題がちょっとダサイのが玉に瑕、製作費6000円の英国産ゾンビ映画。ロンドンで発生したゾンビパンデミックで市民が次々にゾンビ化。コリンも感染してしまいゾンビとなり生前の記憶の断片に導かれるようにとある場所へと彷徨い歩く。
人間は苦悩し、怯え、逃げ惑うか暴れるしかなくロンドンの曇天下に希望の光は全くない。台詞らしい台詞は殆どなく、ただコリンの彷徨い歩く先々の阿鼻叫喚をカメラが淡々と追うだけだが最後の最後に胸が熱くなる瞬間がある。ゾンビ映画として余りに正しい。
さすがに6000円ってことはないと思いますが、映画は予算ではなく、ネタと心意気でなんとかなるものだと思いました。
こう言う切り口のゾンビ映画は
無かったな。
でも、こう言うの楽しめるのマニアだけだよね。
制作費が凄まじく安いらしいけど、内容が無いに等しい。
しかもドキュメンタリータッチなのにナレーションなし。
まぁ説明はいらんかな。
人としての気持ちを僅かに残したコリンが彼女の元に向かう間に食事してしまうのが悲しい。
ゾンビ映画らしい、ヘビメタBGMが流れ続けないのが独特。
● ゾンビ24時的な作品 ●
超スーパー低予算ながらも、斬新なストーリーで、良くできた作品だと思います。
この映画を見て…
もし自分がゾンビになるんだったら、生前の記憶は全て忘れ、『28日後』の様に直ぐに発症して欲しいと思った。
人間側もゾンビ側も、凄く悲しい物語です。
やっぱりゾンビ映画は、怖くてハラハラする展開を楽しむのが好きだなぁ。
ポカリと、鍋
本作が劇場映画デビュー作となるマーク・プライス監督が、日本円にしてわずか5800円という超低予算で作り上げた、ゾンビ映画。
本作を観賞する前に、もしも貴方が眼鏡を掛けていらっしゃるのならば丁寧に拭いておく事をお勧めしたい。何故ならばこの作品世界の大半が暗闇の中で展開される上に、画質を徹底して落とした演出となっているので、目を凝らさないと物語に置いていかれる。
「誰だ、あんたは?」と自問自答を繰り返している内に、切ないラストへと一気に連れて行かれて消化不良・・残念なりという事にならないように、お気をつけ頂きたい。
さて、本作である。近年、冗談としか思えない奇抜な条件の下で繰り広げられるゾンビ映画群が乱発する中で、この作品は極めて異質なものと捉える観客も多いだろう。ゾンビ映画の祖、ジョージ・A・ロメロが初期の作品で観客に提示した「純粋な殺戮、破壊、捕食」を軸に据えているので、無駄に差し込まれる恋愛要素や内輪もめなどのテーマを削ぎ落としたゾンビへの素朴な観察映画の如き視点が活きている。
そのドキュメンタリーのような客観性が際立つのは、作品中に一度も拳銃が登場しない点にも表れる。「頭を打ち抜けば、ゾンビの皆さんは息絶える」この世界基準の常識が蔓延してしまった現代にあって、あらゆるゾンビ映画に前提として拳銃を持った兵士の存在が必須となっている。その中で、本作は兵士はもとより、銃器がほとんど出現しない。
「ゾンビ」という特殊な、人間の姿をした怪物の感情、本能を深く、丁寧に掘り下げるという内面への潜伏は、多くのモンスター映画にある過激に怪物を退治する爽快感の追求とは相反する意思が息づいている。その点では、出尽くした感のあるゾンビ、モンスター映画を見つめ直し、可能性を原点から考えようとする目的意識が強く、本作の迫力と魅力の原動力となっている。
閉じ込められた家に蠢く、ゾンビの皆さんに二つの簡素な鍋を振り回してぽかぽか戦う男性の姿に思わず笑みがこぼれつつ、武器を持たない人間を形にすればこういうことなんだろうなと想像してみれば、背筋が凍ってしまう。
より、現実に則して。より、ゾンビ映画に真っ直ぐ向き合って。ぽかりと軽い音を出す鍋は、とことん無力な生身の人間への警告と、空虚な現代ゾンビ映画群を風刺した鋭いユーモアの形なのかもしれない。低予算という特徴ばかりに目を向けるには惜しい、挑発的に映画界に立ち向かう作品だ。
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