「女性版『悪魔を見た』」ビー・デビル septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
女性版『悪魔を見た』
女性版『悪魔を見た』って
感じが近いんじゃないかな
パスしなくてよかったです!
R18でグロイシーンはあるけれど、
わたしは、このタイプの作品は、好きだな❤
メイン女性の2人の気持ちが痛いくらいに
伝わってきて、しばらく映画を抜けられませんでしたからね♪
上映終了後、
ヘウォンとボンナムの気持ちに
同化しすぎて、物凄く険しい顔をしていました。
ただ、それは決して今作に怒っていたわけでなく、
今作のグツグツと煮え立つ熱さにやられてしまったから。
今作が、それだけ素晴らしく(この表現は不適切かもしれない)、
言いようのない衝撃を与えられたからこそ、心の内から怒りの表情が
浮かんでしまったのです。
「ありがとうございました」
お客様一人一人に声をかけていた
映画館スタッフ、私には声をかけず。
帰りの渋谷の歩道。
私と目を合わせた人は、
私とぶつからないように避けていく
(いつもは猛烈にぶつかられるのですが(苦笑))。
万が一、喧嘩になったとしても、
殴りあってやるよ!くらいの、目の前に
泥酔をした海老蔵さんが現れたとしたら、
某リオンさんみたいになっていたかもしれないくらい、
怒りの気持ちと怖い表情を浮かべていました。
こんな風になってしまったのは、
『チェイサー』(08)鑑賞後、
男性お手洗いで私の顔を見た男性客が、
走り去ってしまった事件以来でございます。
それくらいストレートに
身も心も全部、持って行かれてしまったのでした。
◇ ◇
『悪魔を見た』でも、同じだったのですが、
加害者側よりも、被害者側に「おまえら殺されて当然だ!」
という怒りを覚え、加害者側に同化してしまう自分がいました。
島を抜け出した人
島を抜け出せない人
あきらめた人
最後まであきらめなかった人
女性であることを受け入れた人
女性であることを受け入れなかった人
どうして男性は女性に石を投げてもいいのに、
女性が男性に石を投げるのは許されないのか
男性は妻以外の女性と性交をする
女性は夫以外の男性にも襲われる
島。
封鎖された空間だからこそ
深く根付く“男尊女卑”の掟
ある者は抗い
ある者は抗うのをあきらめる
そんな抗う姿を
ある者は見て見ぬふりをする
さわらぬ神に祟りなしと言わんばかりに・・・
悪魔になった
悪魔にならざるを得なかった
クライマックスシーン
私には悪魔には見えなかった
目映く差し込む光に導かれた
傷だらけの天使にしか見えませんでした
ラストシーン
本当の死を見たこともないくせに!
なめんじゃないわよ!
わたしが殺してあげるわよ!!
他人は悪魔と言うかもしれない
“闘神”女神が、真の強さが、宿った瞬間に映ったのでした
◇ ◇
と、今作の爆風に猛烈にやられてしまった私ですが、
上映終了後に抱く疑問が、カップルで来場されていた
彼氏が口にした感想と、寸分の狂いもなく一致(こんなのは珍しい&うれしい)。
ネタバレを防ぐために
詳細は記しませんが、この点を
どれだけ重要視するかによって、
今作の評価は大きく変わってしまうと思います。
私は、多少こじつけめいた解釈をして許しましたが、
冷静に考えると、絶対にありえませんので、違った
意味での怒り、もしくはドン引きする危険性がございます。
もしかすると、今作の最大の悪魔は、
このシーンに、潜んでいたのかもしれません(苦笑)
★彡 ★彡
ちょっとした日本文化、
武士道にリスペクトを
したようなシーンもありました。
恐怖の緩急も巧みでございます。
悲鳴を上げさせない、まさに本当の恐怖でございました。
5点満点でもいいじゃん!と思う自分もいるのですが、
最後に触れたドン引きリスク点を引いて4.5点といたします(苦笑)