劇場公開日 2011年3月26日

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「女性版『悪魔を見た』」ビー・デビル septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5女性版『悪魔を見た』

2011年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

女性版『悪魔を見た』って
感じが近いんじゃないかな
パスしなくてよかったです!
R18でグロイシーンはあるけれど、
わたしは、このタイプの作品は、好きだな❤
メイン女性の2人の気持ちが痛いくらいに
伝わってきて、しばらく映画を抜けられませんでしたからね♪

上映終了後、
ヘウォンとボンナムの気持ちに
同化しすぎて、物凄く険しい顔をしていました。

ただ、それは決して今作に怒っていたわけでなく、
今作のグツグツと煮え立つ熱さにやられてしまったから。

今作が、それだけ素晴らしく(この表現は不適切かもしれない)、
言いようのない衝撃を与えられたからこそ、心の内から怒りの表情が
浮かんでしまったのです。

「ありがとうございました」
お客様一人一人に声をかけていた
映画館スタッフ、私には声をかけず。

帰りの渋谷の歩道。
私と目を合わせた人は、
私とぶつからないように避けていく
(いつもは猛烈にぶつかられるのですが(苦笑))。

万が一、喧嘩になったとしても、
殴りあってやるよ!くらいの、目の前に
泥酔をした海老蔵さんが現れたとしたら、
某リオンさんみたいになっていたかもしれないくらい、
怒りの気持ちと怖い表情を浮かべていました。

こんな風になってしまったのは、
『チェイサー』(08)鑑賞後、
男性お手洗いで私の顔を見た男性客が、
走り去ってしまった事件以来でございます。

それくらいストレートに
身も心も全部、持って行かれてしまったのでした。

◇   ◇

『悪魔を見た』でも、同じだったのですが、
加害者側よりも、被害者側に「おまえら殺されて当然だ!」
という怒りを覚え、加害者側に同化してしまう自分がいました。

島を抜け出した人
島を抜け出せない人

あきらめた人
最後まであきらめなかった人

女性であることを受け入れた人
女性であることを受け入れなかった人

どうして男性は女性に石を投げてもいいのに、
女性が男性に石を投げるのは許されないのか

男性は妻以外の女性と性交をする
女性は夫以外の男性にも襲われる

島。
封鎖された空間だからこそ
深く根付く“男尊女卑”の掟

ある者は抗い
ある者は抗うのをあきらめる

そんな抗う姿を
ある者は見て見ぬふりをする

さわらぬ神に祟りなしと言わんばかりに・・・

悪魔になった
悪魔にならざるを得なかった

クライマックスシーン

私には悪魔には見えなかった
目映く差し込む光に導かれた
傷だらけの天使にしか見えませんでした

ラストシーン
本当の死を見たこともないくせに!

なめんじゃないわよ!
わたしが殺してあげるわよ!!

他人は悪魔と言うかもしれない
“闘神”女神が、真の強さが、宿った瞬間に映ったのでした

◇   ◇

と、今作の爆風に猛烈にやられてしまった私ですが、
上映終了後に抱く疑問が、カップルで来場されていた
彼氏が口にした感想と、寸分の狂いもなく一致(こんなのは珍しい&うれしい)。

ネタバレを防ぐために
詳細は記しませんが、この点を
どれだけ重要視するかによって、
今作の評価は大きく変わってしまうと思います。

私は、多少こじつけめいた解釈をして許しましたが、
冷静に考えると、絶対にありえませんので、違った
意味での怒り、もしくはドン引きする危険性がございます。

もしかすると、今作の最大の悪魔は、
このシーンに、潜んでいたのかもしれません(苦笑)

★彡     ★彡

ちょっとした日本文化、
武士道にリスペクトを
したようなシーンもありました。

恐怖の緩急も巧みでございます。
悲鳴を上げさせない、まさに本当の恐怖でございました。

5点満点でもいいじゃん!と思う自分もいるのですが、
最後に触れたドン引きリスク点を引いて4.5点といたします(苦笑)

septaka