「身近な殺人にも余裕のヘプバーン」シャレード(1963) Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
身近な殺人にも余裕のヘプバーン
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総合:70点
ストーリー: 55
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 70
ヘプバーンが謎に巻き込まれて人が次々に殺され自分も死の危険を感じるサスペンスドラマ。
とはいいつつもそれほど深刻なサスペンスの雰囲気ではなく、ヘプバーンは周りで人が死んでいくわりには比較的元気であり、ケーリー・グラントといちゃついたりする余裕を見せる。深刻な話の割りにはコメディタッチでのりは軽い。そうでなければ恋の話にならないだろうから仕方ないのだが、自分がいつ殺されるかわからないというこの状況でこの余裕は少々不自然ではある。まして彼女はグラントの正体を疑っているのにである。
それと25万ドルを戦争中に奪った犯罪者集団の設定が変である。金を持ち逃げしたランパートが見つかったとき、実にタイミングよくウォルター・マッソー演じるCIAエージェントのバーソロミューこと死んだはずのダイルと、彼の三人の元仲間とがパリに揃ってヘプバーンを追うというのは不自然。三人は共同で金を追っているからいいとして、ダイルは死んだことになっていたのだから、ランパートの居場所がわかって持ち逃げされた金がパリで見つかりそうなんていう情報を誰も彼に連絡出来ないだろう。しかも彼は裏切った仲間を殺そうと考えていたのだから。事件後かなり年数がたっているのに、何故彼は三人と同様にこの事実を知ってパリに現れ、短期間のうちにアメリカ大使館員になりすますことが出来たのだろうか。
しかしその辺りを除けばそれなりに物語は面白いと思う。誰が真犯人なのかを少しずつ状況を明らかにすることで推理させる。楽しめました。
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