「融資してくれ~!」僕達急行 A列車で行こう ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
融資してくれ~!
森田芳光監督の遺作となってしまった今作。
まさかあの若さで(61歳)で亡くなってしまうとは…。
近年また様々な趣向の作品を発表していただけに
あまりにも早い人生のエンドロールに驚いてしまった。。
が、
今作は監督が長年温めてきた企画をオリジナル脚本で
描き、思い通りに演出できたという悦ばしい作品。
最期に彼らしい作品が遺せて喜んでいると思うのだ。
番宣で俳優さん達の声を聞くのがまた面白かった。
皆が口を揃えて、監督の演技のつけ方に戸惑ったという^^;
あの独特な台詞回しと動きの数々、普通そうは動かないし、
そんなおかしなことを言うワケないだろう!と分かっている
ベテラン俳優でさえ、彼の指示に従ってエっ?と思うような
珍演技を披露している。まさにこれこそ、森田ワールド。
どう見てもオタクには見えない松ケンと瑛太の二人が、
まぁ調子よく化けて^^;見事にテツ男になりきっている。
…でも、観ていて思ったのだ。
あ~もしここに原田芳雄が生きていたなら「オレも出せ!」
って必ず言っただろうし(だって京急だよ?)
俳優じゃないけど「どっかで出してくれ!」ってタモリとか
絶対乗ってきそうだし^^;
いや、他にもゲーノー界の鉄オタはゴマンといますからねぇ。
そんなテツ男たちが喜べそうな小ネタがいっぱい。
映像で、うわー!!と思うほどのものはなかったけど…
チマチマと交わされる言葉の端々や、ネーミングなどに
いかにもな森田節が炸裂していて、微笑失笑薄笑いの連続。
名作にも問題作にも名を連ねないその姿勢が、とっても素敵。
タイトルが僕達急行。
あの二人はどう見ても急行列車の生き方などしてないのに、
なんだかとっても楽しそうで、観ていてホントに羨ましい。
好きなコトを体験できる環境は、誰にとっても幸せなのだ。
九州に左遷、の意味がワクワク鉄道旅行♪のノリだもんね。
あそこまでポジな男だから、小町は出世できるんでしょう。
物事を前向き路線で捉えられるのは男としても素晴らしい、
ただ、女の子に対する思いやりというか、ないのよね(爆)
私的には断然小玉なんだけど(瑛太だからとかじゃなくて)
ああいう機械系に強い男にめっぽう弱いのだ。技術屋大好き!
一家に一人、絶対欲しい存在ですね。真面目でいい子だし。
「融資してくれ~!」がコダマする鶴見線は情緒たっぷり(爆)
まぁ面白かった。こういう作品が最後に観られて嬉しいなぁ。
森田監督、ありがとう。映画でいい旅させてもらいました。
終点に着いたら、松田優作と長テーブルでご飯を食べながら
家族の想い出など、ゆっくり語り合ってくださいね。。。
(ゆで卵好きなら坂東英二からコールがかかってたりして^^;)