「モテない男、モテない女は見に行くべし!」僕達急行 A列車で行こう トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
モテない男、モテない女は見に行くべし!
これが森田芳光監督の遺作とはねー、と鑑賞前には思っていたのだが、見るウチにどんどん引き込まれていった。
鉄ヲタのディテール(チェックのシャツの下に丸首シャツが見えるとか)などもなかなかこだわりがでていていい。
瑛太、松ケンみたいなイケメンはオタクの世界にはまずいないけれど、全体にそういう世界への愛情が漂っていて、見ていても心地いい。
鉄ヲタに限らないんだろうが、狭い自分たちの世界にいる人たちって、他の世界が見えない人種とも思えてしまうけど、一人ひとりはものも考えるし、行動もする。
他者との距離感をつかむのが苦手なだけで、決して変人だったり、悪い人間ではないのだ。
そうした平たく言えば、人間愛をよく森田監督は描いている、と思う。
彼の昔の作品「(ハル)」(1996年)にも通じる味わいだ。
人との交流が苦手なゆえに損をして、モテないままでいる多くの男性(女性)に、そうではない女性(男性)が手を差しのばしてもらいたい、この映画を見て…。
評価は3・5としたいところだが、遺作ということで★4つ。
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