劇場公開日 2011年5月11日

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「最後で分かる物語の構造は、目新しいものではないが、そこまで持って行く演出は巧みだ」ブラック・スワン トグサさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5最後で分かる物語の構造は、目新しいものではないが、そこまで持って行く演出は巧みだ

2013年1月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

この映画は、有名なチャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」の主役を廻るいわゆるバック・ステージ物の一つである。

故・淀川長治さんは、よく「私は、映画から全てを教わった。」と仰っていたが、僕は、この「ブラック・スワン」という映画を観るまで、あの美しい「白鳥の湖」が、こんな話で、そんな構造をしているなんて全く知りませんでした。

ミッキー・ローク主演のレスラー の評判は聞いていたが、このダーレン・アロノフスキー 監督は、僕にとって今後、要チェックの監督となった。

「ブラック・スワン」というタイトルから僕は、勝手にSF映画のようなものを想像していたのですが、全くの見当違いで、「ブラック・スワン」とは、この物語の鍵となるキーワード、つまり、チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」に出てくる「黒い白鳥」、「ダークサイドの白鳥」であります。

最後の最後で分かる物語の構造自体は、目新しいものではなく、今までさんざん使い古されている物語の構造なのだが、そこまで持って行くマーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・マクローリンの脚本とダーレン・アロノフスキー監督の演出は、非常に巧みで最後の最後になるまで、僕は気付きませんでした。

別に僕の中でいまだに『レオン』のジャン・レノに守られていた少女役が焼き付いている訳ではありませんが、近年、最新の映画を観なくなってきている僕にとって、ナタリー・ポートマンとは、その作品選びを見ると、果敢に自分の演技の幅を大きくしようという姿勢は垣間見ていたのですが、どこか少年ぽさを残した女の子であったのだが、この『ブラック・スワン』を観てビックリでした。

何かにおびえているような繊細で神経質な大人の女性役を見事に演じてました。
アカデミー賞で主演女優賞を獲得したのも納得です。

久方振りに、クラシックな昔の映画ではなく、近年の映画を観てみたのですが、
このナタリー・ポートマンの演技とミッキー・ロークを再び復活させたと評判だけを耳に挟んでいた『レスラー』のダーレン・アロノフスキーの確かな演出力を堪能できて、僕にとって実り大きい映画鑑賞となった。

詳細は、ダーレン・アロノフスキー監督に注目だ!ナタリー・ポートマン主演「ブラック・スワン」 | だから、映画を観るのはやめられない ://j.mp/PxVnsA で。

トグサ