「自分自身と戦う過酷さ」ブラック・スワン 77さんの映画レビュー(感想・評価)
自分自身と戦う過酷さ
かなりご無沙汰なレビューになってしまいました; やーっとがっつり観れました!やっぱり映画がないと♪
せっかくの久しぶり(?w)なので満を持して前々から観たかった『ブラック・スワン』をセレクトしてみたところ…すっかり空っぽになっていた映画HPをしっかり満たしてくれました。
期待を超えたかというとそうではないんだけれど、その鬼気迫る“本物感”はスタンディングオベーションもの。
ただそれらも似た部分の多い(と私は感じた)『ダンサー・イン・ザ・ダーク』より一枚落ちるかな?ということで3.5点。
何かを成し遂げるということ。
真剣に取り組めば取り組むほど、自分にとってそれが大きければ大きいほど、プレッシャーがついて回る。
ライバルの存在だとか期待に答えなきゃとかそういうのも結局は自分自身との厳しい戦いで、自分で踏ん張り自分で乗り越えるしかない。
何をやるにしても“自分”の体と頭しかないんだから自分の中からそれらを生み出さなきゃいけない。自分の中に引き出しを作り、成熟させ、解放しないと行きたい場所に到達できない。
ニナは黒鳥に、それと同じようにきっとナタリーはニナという役に、そしてみんなが何かに、それぞれ自分という人間の限界や可能性と葛藤する。
何事も美しくて華やかな“出来上がり”には陰での心身の健康のための孤独で人知れない物語がある。
強さと弱さのバランスは脆くて、諦めるのも堕ちていくのも簡単で誘惑も言い訳もたくさん用意されてる中、“頂点”はなんとかもがききった人だけが見れる景色。
もう“もがいてる”とも言えないほどニナはボロボロでギリギリの状態だったけど、もう何がなんだかわからなくなったって最後に残るのはやっぱり“想い”の強さ。
自分自身に真っ向勝負で勝ったとは言えないかもしれないけど、何物にも代え難い物を得ることができた彼女が最期に見せる表情はとっても感慨深くて生き方について考えさせられました。
バレリーナって最も美しい体躯を持つ人たちだと思うので、体づくりだけでも一筋縄じゃないかないような映画をナタリーは女優として終始表情で魅せてくれていました。脇も素晴らしかったです。
音楽や証明も素晴らしい。渾身の“ブラック・スワン”のだんだん羽が生える演出すごく良かったです。あとED最初の方の背景も本編の余韻がいい感じに残って最高でした。
あーバレエ観に行きたいっ