劇場公開日 2011年5月11日

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「バレーの美である白 人間の裏側にある邪悪な心である黒 白鳥と黒鳥 偶然か」ブラック・スワン トーレスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5バレーの美である白 人間の裏側にある邪悪な心である黒 白鳥と黒鳥 偶然か

2011年6月16日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

これを見て思った。
こんな映画見たことある…
なんだっけ…なんだっけ…
そう「ファイトクラブ」

自分自身を変えたいという一心にとんでもない行動をする。その強く堅い意志がゆえの行動は自分で抑えることができずさらに自分自身に幻覚を見せさえしてしまう。トマスから絶大な支持を得て完璧とまで言われたベスも自分に納得せず最後には自分を「お蔵入り」とさえ言うくらい、時代を背負う女王は生涯自分と戦わなければならない苦労があるのだから女王になるのがどれだけ大変かわかる。さらに言うと、ベスが病院で自分自身を刺すシーンがあるが、あれが現実なら女王の辛さを表現しているのがわかる。がもしニナの幻覚ならニナが思い浮かべる女王はハードルが高いという表現になる。このシーンが1番わかりにくいのではないか。そして女王という立ち位置がどれほど辛いかを伝えたい監督によるメッセージなのかもしれない。ニナの他にトマから支持を得ていたリリーは結局、主役にはなれなかった。それはそもそも戦う相手を間違ってたわけで、自分と必死に戦おうとしなかった結果だろう。このことからもさっき述べたメッセージの確信性が見える。話は戻しファイトクラブとは相違点が2つ。ファイトクラブのように終始、自分自身がおかしくなりはせず、まだ我を忘れてない自分を所々見せる。もう一つは、幻覚か現実かがよりハッキリするかしないかである。
エロいシーンや怖いシーンはよりニナの感情を生々しく表現するためのように見えた。それになんといっても、手から順々に体が黒鳥に変わっていくシーンは主人公の心情を表現させるシーンの中でも最骨頂のシーンだ。

最後の終わり方も監督の腕が光った。私は完璧になった…と言った後、画面が白くなり監督の名前がどかんと表示される。どうだと言わんばかりの終わり方には圧倒された。

これで作品賞とれないとは…少し時代が違えば作品賞とれたかもしれない

トーレス