劇場公開日 2011年5月11日

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「思わず膝を叩きたくなった作品です」ブラック・スワン あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0思わず膝を叩きたくなった作品です

2011年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

2010年アメリカ映画。108分。2011年14本目の作品。毎度、観る者をつきおとす作品を作ってくるダーレン・アロノフスキー監督の最新作で、主演のナタリー・ポートマンが本作でオスカーを取った。

内容は:

1,バレリーナの女性は「白鳥の湖」で主役を踊る不気味な夢を度々見ている。
2,そして、現実で彼女は主役に抜擢される。
3,それから彼女は奇妙な現象に次々と見舞われるようになる。

「どうしてそうなったの?」といった疑問を抱くことが瑣末に思えるほどにグイグイと引き込まれる演出。作品自体が細かい理屈を放棄して開き直って作られているし、とにかくナタリーとその母親役のアブノーマルさが怖い。骨太な作品です。

アロノフスキー監督って人間のダークな部分をよく描くけど、本作ではもはや匠の技にまで達していると思う。でも、彼がトリアーやハネケと違う部分は、主役の描き方にどこか愛情が感じられること。というわけで、本作は不気味ながらもとても美しい作品だったと思います。

ナタリー・ポートマンは確かに素晴らしかったけど、それ以上にシナリオ上の彼女の設定の仕方、さらに彼女を選んだ配役が絶妙だったと思う。彼女の持って生まれた素材を生かし切ってるから、本編中に墜ちていく彼女を観ながら、悪魔心がとても腑に落ちた。

そういった意味でナタリーは「持っている」と思う。

アロノフスキー監督には是非ともこのダーク路線でいって人間の未踏の領域に踏み込んで欲しいものです。

あんゆ~る