「美しき悪夢」ブラック・スワン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
美しき悪夢
バレエを題材にした映画と言うと、華麗な映画を思い浮かぶが、それを覆すようなダークで愛憎渦巻くスリリングなスリラーだった。
とにかく凄い衝撃作。
まるで「愛のむきだし」を見た時のような。
ナタリー・ポートマンの演技については、もはやあれこれ語る必要は無い。
言葉で語るのが表現出来ない程、圧巻。
母親の必要以上の愛情、監督のプレッシャー、ライバルからの嫉妬…それらを目の当たりにした無垢だった白鳥が、自らの心の闇によって解き放たれ、黒鳥へと変貌していく。
その終盤への盛り上げ方、叩みかける演出は凄まじく、名曲の素晴らしさと共に興奮さえしてしまった。
「告白」同様、並のホラー以上にホラー。
一番怖ろしいのは、人間の心の闇なのだ。「ミスト」もそうだった。
そこに華麗なバレエがコラボされ、怖ろしくも美しい映画が誕生した。
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