「監督とナタリーの技量に圧倒された」ブラック・スワン りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
監督とナタリーの技量に圧倒された
誰もが一度は聴いたことのある音楽「白鳥の湖」。
その悲しげなメロディーにのせて、ストーリーは進む。
心理サスペンス&ちょっとスリラーという内容。
こういう作品、好きです。
前半、少し「あれっ?!」という既視感を覚えたり、途中で、「あっ!きっと、こうなのね」と気づいたものの、後半からは、息つくヒマもないくらい、怒涛の勢いでラストへと。
純真で儚く、母の期待を一身に背負い、それに応えるべく頑張るニナ。
白鳥と黒鳥を演じ分けろ!!
白と黒。
善と悪。
光と闇。
真と嘘。
家と稽古場。
母と監督。
ニナとリリー。
人間の持つ背中合わせの二面性。
ラストの黒鳥への変身ぶりは、お見事!!
監督とナタリーの技量の賜物でしょう。
アカデミー賞も納得。
思い返せば、「レオン」の少女から、すっかりおとなの女性へと変身され、時は流れていたのですね。
ナタリーは、マチルダから脱皮できる作品に出会えたのでは・・・。
バレエ劇中のオデットの運命とニナとナタリーが重なって、圧倒された。
ウィノナ・ライダー。前回見たのは、浮気する人妻役。
今回は、引退するバレーリーナ。
旬を過ぎたような役だけど、こうしてスクリーンに登場してくれるのは、嬉しい。
見終わった時、バレエの王子のように、黒鳥に胸を鷲掴みにされたようだった。
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