「パートナー」イヴ・サンローラン(2010) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
パートナー
2010年 フランスドキュメンタリー映画
ナレーターは サンローランの公私に渡るパートナーだったピエール・ベルジェ
非常に賢く、実利的な彼はサンローランの醜聞を抑えながら 彼を伝説の人にする
三角関係だったヴィクトワール
二人の関係を危うくしそうだったジャック・ド・バシェールたちを彼から切り離す
ヴィクトワールはモデルとしてもお払い箱?
(2つのサンローラン伝記映画も参照)
さすがに私的関係の方は破綻をきたす
このドキュメンタリーは彼が全面協力し
オークション前の美術品の様子や 思い出の邸宅を垣間見せてくれる
そして美しい言葉で飾られた貴重な映像も
彼の手腕は各方面から評価されているが
支配下に置かれたようなサンローランはどう思っていただろう
女性の解放を訴えたデザインもしたのに、彼自身が籠の鳥になってしまったみたいで
ラガーフェルドが怒っていたが 理解できる
美術品や邸宅は所詮、彼への〈アメ〉や〈オモチャ〉に過ぎないことに サンローランは何処かで気付いたはずだ
伝記映画の方でも 絡まる蛇達の映像が使われていたが ベルジェも複雑な男で、過敏なデザイナーとの関係を一層複雑にした
(賢いだけに、才能ある男のヒモのようにも見られたくなかったはず… )
彼が上映を承認しなかった
オリヴィエ・メイロー監督のもう一つのドキュメンタリーを観てみたい
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