ペーパーバード 幸せは翼にのってのレビュー・感想・評価
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スペイン内戦を背景に、時代を生きた芸人たちの苦悩を描く。 戦争とは...
スペイン内戦を背景に、時代を生きた芸人たちの苦悩を描く。
戦争とはどんなに深い繋がりでも簡単に引き剥がす。むなしい。
鑑賞日:2015.1.27
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屈託のない少年ミゲルに癒される
まず少年ミゲルを演じたロジェール・プリンセプの丸い顔と丸い瞳に惹かれる。
映画は、喜劇役者のホルヘが、貧しいながらも親子3人の幸せな家庭を爆撃で失ってしまうという悲話でスタートする。
同じ内戦で孤児になったミゲルの、逆境に負けず、大人相手に物怖じしない明るさは救われる。
ところがホルヘはミゲルを遠ざける。亡くなった息子への想いが、屈託のないミゲルに対して怒りに似た感情に火をつけてしまうのだろう。
その切なさゆえ、ホルヘは舞台でフランコ政権に対する風刺をエスカレートさせてしまう。
そんなホルヘを監視するために軍が劇団に内偵者を送り込んだり、その上官がネチっこいワルで劇団の娘につきまとい、裏では反体制派の暗躍がうごめく。
ホルヘがミゲルに心を開いていくストーリーと相まって、映画として見どころが多い。自分がスペインの近代史に明るかったら、もっと深く楽しめただろうと思うと残念。
ラストは“ホクロ”と歌がポイント。“ホクロ”は母を、歌は父を象徴する。どちらもミゲルの宝物。ミゲルの心を支えてきた両翼だ。
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