「セレブの子供の世界観。」SOMEWHERE ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
セレブの子供の世界観。
巨匠の娘にして、自ら映画監督というS・コッポラの第三弾。
撮る度に各映画賞を総なめしたとか言われるんだけど…ハテ、そうか?
彼女の撮る作品は女の子ならいざ知らず、男が観て楽しめるのかどうか。
例えば今回のストリッパー二人組。部屋でPダンスを繰り広げているが、
あれで男性がそそられたら大したもんだ~なんて下らないことを考えた。
浮遊感あり、透明感あり、女性キャスト選びにも定評のある彼女だが、
今回もまた主人公の娘役でダコタの妹、エル・ファニングを起用している。
この子が作品全体の空気をかっさらっている節もあるので^^;乞うご期待。
おねいちゃんより美人でスタイル抜群、かなりいい感じ♪
おそらく好き好きが分かれる作品なので、もう好みの問題。
ただ、もともと空虚であるうつろな心、
を主題にしているあたりから、面白い映画であるはずはない^^;
冒頭から延々と長回しでフェラーリのぐるぐる周回を見せるような作り、
もうここから今作のラストが見えてくるような感じでもある。
映画スターってのは皆こんな感じか?(まぁそうなんでしょうね^^;)
表舞台の人気や煌びやかさからは縁遠い、けっこう孤独で友人も少なく、
仕事とホテルの往復、みたいな、そんな暮らしをしているスターも多そう。
縁あって結婚できたり(爆)、子供ができたり養子を迎えたり(爆)、
あぁちょっと、生活にハリが出てきたかな?という辺りでメキメキ輝きだす
俳優もいれば、結婚→離婚→裁判沙汰を繰り返す地獄の生活俳優もいる^^;
パーティー三昧、ドラッグ三昧で身を崩すおバカもいれば、
自虐ネタで再起を謀る計算野郎までいる。案外これがウケちゃったりして。
私が思うに、ああいう仕事をしている人は経験値が演技に反映する(汗)と
いう気がするので、あまり一般的な生活に馴染まない方がいいのでは?と
大きなお世話をいってみたりして。。でもまぁ、仕事は別。ですよねぇ。
今作の父親、S・ドーフも前妻の娘が訪ねてくるまでは全く虚ろな日々、
一緒に生活し始めてから(なんとなく)楽しい気分にはなってくるのだが、
如何せん自分はまた仕事に戻らなければならない。離れ離れに暮らす娘が
父親に愚痴のひとつでもこぼせばいいのに^^;この子は健気に何も言わない。
おそらくこの子の中で父親とは、こんな存在だったんだろうと感じた。
(監督の実体験要素アリ?)
母親もなんだか身勝手な感じで、どっか行っちゃうし、セレブの子供って
いっつも置いてけぼり(なんでしょうかね)なのかい?という虚しさが残る。
一緒にいられる時間の方がエラく少ないんだろうから…なぁ。
とはいえ、今作を観ても分かるように、何しろあらゆる面で趣味が良い。
これがセレブの品格ってやつでしょう?というのが、作品のあちこちに
観てとれて、監督の質感を物語っているよう。ただ、好き好きでいうと、
品さえ良ければいい映画、ってワケでもないので^^;まぁ、そのあたりは…。
(お父さん巨匠、とても優しいんだそうです。そりゃこの映画観れば分かる)