「各々の家族の心を蝕むダークサイドの深刻さをガイドする恐怖のウサギは、悲劇の真実を紐解く唯一の開封者でもある」ラビット・ホラー3D 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
各々の家族の心を蝕むダークサイドの深刻さをガイドする恐怖のウサギは、悲劇の真実を紐解く唯一の開封者でもある
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『呪怨』を産んだJホラーの巨匠・清水崇が満を持して挑んだ飛び出す恐怖は見応えあったけど、わざわざ嵐の日に出掛けて観るまでの作品じゃないね。
姉弟を狙うウサギの愛くるしさが、恐怖の世界に誘ぐ役割を果たす奇妙な存在感は『IT』のピエロを、
夢と現実とを行き来する呪われたループは『エルム街の悪夢』を彷彿とさせ、襲撃方法は至ってオーソドックスな印象を受けた。
『パラノーマル・アクティブテイ』の影響ゆえか、テロップに日時が細かく記入されていたが、その効果はほとんど無く、演出方法にも疑問を覚える。
神出鬼没な仕掛人と逃げられない被害者との関係性は、『呪怨』の距離感をそのまんまスライドしただけのような気がするし。
そのため、聾唖の満島ひかりや接し方に悩む父親(香川照之)の抱えるトラウマが肥大化し、精神面での闇の深さに、ホラーの重点が占めていくのは必然的やと思う。
手当たり次第にみんな発狂して、何が現実で、何が妄想なのか?結局、ぐっちゃぐちゃ…。
支離滅裂なサゲで逃げちまう救いの無い後味の悪さは、相変わらず清水節が炸裂しまくっていてファンは嬉しいかもしれない。
単なるお化け屋敷では済まされない苦味の濃い恐怖っていうのかな。
しかし、3Dに関しては、空に舞うウサギの毛や雪以外に意義は皆無やと思う。
では最後に短歌を一首
『震える血 渦へ誘ふ 白き羽 悪夢に堕ちて 叫ぶ筆先』
by全竜
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