「いっぱい喧嘩しなさい！」婚前特急　近大さんの映画レビュー（感想・評価）

自由な恋愛を楽しんでいるＯＬのチエは、バツイチサラリーマン、年上の美容室オーナー、年下の大学生、バイク屋の道楽息子、パン工場の従業員と交際中。
ある日、親友の結婚に触発されて、誰が本当の相手か“査定”する事に。
一番ダメダメ男から切っていく。
真っ先に挙がったのが、パン工場の従業員・田無。金も無く図々しく醜男で、“楽”なだけがメリット。
別れ話を切り出すと、「体だけの関係で付き合ってないじゃん」と言われ、出鼻をくじかれ、まるで自分がフラれたみたい。
プライドを傷付けられたチエは田無に復讐を決意、田無の身辺調査をすると、好意を寄せている女性が居る事が判明。
協力するフリしてブチ壊そうとするが、反対にイイ雰囲気に。
何故かモヤモヤ…。
他の査定対象の４人の男もまたダメダメ男で、イライラ…。
アタシの本当の相手は誰なの…？

軽快なストーリーが面白い。
日本でもハリウッドみたいなラブコメが撮れるんだなぁ…と感心。

主人公のチエが高慢で自己中でとにかくヤな女。しかも、５股ですよ、５股！周りにこんな女が居たら絶対関わりたくない…。
ヤな女なんだけど、吉高由里子がキュートな小悪魔の魅力を存分に発揮。ちょっと哀れでもあって、何だか憎めない。
今まで吉高の役柄でも最高のハマり役かも？

三者三様の５人の男たちの中でも、田無を演じる浜野謙太が絶品。
ダメ男なんだけど、やっぱり彼も何処か憎めない。

この２人のやり取りが面白く、痴話喧嘩のシーンなんか、素？…と思ってしまうほど。

本当の相手を探すのは難しい。
本当の相手＝理想の相手ではない。理想の相手はおとぎ話だけ。
本当の相手って意外と近くに居たりする。
その相手って、“楽”で、“いっぱい喧嘩出来る人”かもしれない。