超強台風のレビュー・感想・評価
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超強B級
発生した観測史上最大の超巨大台風。中国に上陸し、未曾有の大災害が…!
…ってのを、最新VFXじゃなくて、特撮を駆使して描く、中国製特撮ディザスター・パニック!
勿論所々CGは使われているが、見せ場は特撮や合成。
何で今更?…なんて思わぬように。
特撮はなかなかのクオリティー。
特撮好きとしては何だかんだ言って胸躍る。
しかしまあ作品の方は、お察しの通りツッコミ所しかない。
何故か宇宙から始まるOPシーン。(ラストシーンも)
一応パニック・ムービーらしく群像劇風にはなっているものの、全くドラマとしての見応えナシ。
感動的なシーンにいちいちスローモーションを多用した大袈裟な演出、演者のオーバー演技、延々と流れ続ける同じ音楽…。
大真面目に作っているのに、何故か笑えてくる。それはそれである意味面白かったが。
本作最大の見物は、特撮台風でもなければ満載ツッコミ所でもない。
主人公の市長。…いや、スーパー市長かはたまたスーパー理想市長!
何よりも人命第一。例え犯罪者であろうと人一人も犠牲にしない。
真面目・熱血漢・正義感の塊。
誰からも尊敬される人物でありながら、恩師である気象学者の前ではかつての生徒のよう。
…って、幾ら何でも理想的に描き過ぎやろ!
そんなスーパー理想市長が、文字通り超強台風に立ち向かう。
まさしく本作は、超強台風対スーパー理想市長。
“超強B級”であった。
無敵の市長!無敵の解放軍!
製作スタッフは、あくまで真面目に作っています。
今だから見られる超傑作です。狙っていたんじゃ絶対に作れないインパクト!
孤島に取り残された妊婦と研修医。島に帰れない妊婦の夫。科学より勘を信じる熱い漁師。
誰もがすさまじい風雨でずぶぬれになって苦闘を繰り広げるとき!
みんなの危機に間一髪で駆けつける男がいた!
常にスーツ姿で背筋を伸ばして颯爽と現れる、その人は市長!鳴り響く壮大な市長のテーマ!
そして影に日向に人海戦術でがんばる人民解放軍!
さらにさらに。昭和に生まれた日本の観客なら、誰もが郷愁を感ずるであろうミニチュアセットの大特撮も見逃せないぞ!
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