劇場公開日 2010年9月25日

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「韓国の春画物語」美人図 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0韓国の春画物語

2019年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 18世紀末の朝鮮王朝時代。清が強大になっていた時代でもあり、ハングル文字は確立していたはずなのに全て漢字を使っているのが印象的(実は王朝モノをあまり見ていない)。そんな22代目の王様のために王宮にあった図画署。男として育てられた絵師のシン・ユンボクが名のあるキム・ホンドに弟子入りし、水墨画に限らず、庶民生活を中心に絵を描きためる。

 美しいもの。それも見る人によって視点が変わることを教えられ、様々な庶民生活を描くうちに女性の美しさ、さらにセックスの情景をも綺麗なものとして描き始めたユンボクだった。やがて鏡職人のガンムと知り合い恋に落ちていくのだった。と、ここまでは普通の芸術と恋愛映画といった感じ。

 徐々に他の絵師からは妬まれ、蔑まれ、男色の疑いをかけられたりする。まぁ、実際には女であることを隠して王に仕えていたので、最後にはその罪を問われるユンボク。乱れた寺の一斉手入れがあったりと、江戸時代の日本と変わらない世相。そこで捕まったガンムがただ一人処刑という憂き目にあうのだった・・・

 終盤にはドラマも二転三転して、どうでもよくなってくるが、男女の恋愛と師弟愛(女と知っていたようだし、絵を教えたのも実はホンド)が絶妙に交錯するのだ。あー、それならば処刑させておけば良かったのに・・・なんて思ってはいけない。自分のモノにするためには、ライバルであっても殺さない。はずだったのに・・・という目まぐるしい展開だ。

 絵師を扱った韓国映画では『酔画仙』(2002)しか観たことはなかったけど、この美人図もネット検索すればかなり拝見できるので、その世界にのめり込みそうになってしまいます。「乳は授乳以外では見せてはならない!」などと印象に残るセリフもあった・・・

kossy