「「どういう知り合いですか?」「戦友です」」一枚のハガキ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「どういう知り合いですか?」「戦友です」
クリックして本文を読む
映画「一枚のハガキ」(新藤兼人監督)から。
戦争を経験した人たちにとっては、たぶん・・
思い出したくないシーンの連続だったかもしれない。
「撮影当時98歳という日本最高齢監督の新藤兼人が、
自らの実体験をもとに引退作として製作した戦争ドラマ」
そんな説明にもあまり実感がなかった私だが、
隣で観ていた老夫婦が、涙を流しながら観ていたので、
これはフィクションではなく、現実に近い描写なんだと、
驚きながら、メモをすることになった。
いくら戦争とはいえ、自分より歳が離れた若造に、
「貴様らは・・」と呼ばれることに、抵抗はなかったのか。
「スルメをかじって、鬼畜米兵をやっつけろ」
そんな滑稽なシーンが、なぜか笑い話にならず、
し~んと静まる雰囲気に、当時の悲惨さが伝わってきた。
この気になる一言に残そうと思ったフレーズは、
「どういう知り合いですか?」「戦友です」という会話。
もうすぐ、こういう会話が交わされなくなると思うと、
まだ67年しか経っていないこの悲劇を、どんな形でも
この世に残そうとした新藤監督の気持ちが伝わってきた。
「戦友」って、私たちが簡単に使える単語じゃないなぁ。
コメントする