劇場公開日 2011年8月27日

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「純粋に国を思う少女たちと比べて、軍上層部の大人たちがなんとだめで醜いのか」日輪の遺産 aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0純粋に国を思う少女たちと比べて、軍上層部の大人たちがなんとだめで醜いのか

2011年8月28日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

原作者の浅田次郎氏が思い入れのある作品という。
太平洋戦争の終戦直前、マッカーサーから奪い日本に移送された莫大な財宝。敗戦を予期した陸軍上層部は戦後日本の復興のために極秘裏に隠匿を策する。そのために選ばれたのは、三人の軍人と一人の教師に引率された20名の女子中学生たち。
トラックに乗せられた少女たちは、行き先が空襲のある立川や府中の飛行場ではなく、多摩の山林なのにほっとするのだが…。この任務を少女たちに委ねたのは、猜疑心がなく純真で秘密保持に好都合だったから。
近衛師団の中では腰抜けと揶揄される穏健派の真柴少佐(堺雅人)、大蔵省から軍の経理部に引き抜かれた小泉中尉(福士誠治)、前線で片足を負傷した運転手役の望月曹長(中村獅童)、教師の野口(ユースケ・サンタマリア)は憲兵に取り調べを受けたこともある平和主義者。
彼ら四人の大人たちに下で、きつい肉体労働ではあっても特殊任務のために白米やおやつまで支給されて、ここでは少しやさしい時が流れる。しかし、敗戦が決定的となって彼女たちの立場は暗転する。
純粋に国を思う少女たちと比べて、軍の上層部の大人たちがなんとだめで醜いのか。
終戦後と現代の部分が途中入るのだが、そこは原作と異なる。財宝の扱いについてはこれでいいのかとも思うし、不満なところもあった。

aotokage